Project/Area Number |
21H02857
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52040:Radiological sciences-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
工藤 與亮 北海道大学, 医学研究院, 教授 (10374232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 正晃 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00250514)
小畠 隆行 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子医科学研究所 分子イメージング診断治療研究部, 次長 (00285107)
小牧 裕司 公益財団法人実験動物中央研究所, ライブイメージングセンター, 室長 (10548499)
杉森 博行 北海道大学, 保健科学研究院, 准教授 (20711899)
坂本 直哉 北海道大学, 創成研究機構, 助教 (30466429)
亀田 浩之 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (70829887)
安井 正人 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 教授 (90246637)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
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Keywords | 水動態 / MRI / 同位体顕微鏡 / glymphatic system / 安定同位体 / Glymphatic system |
Outline of Research at the Start |
本研究では、我々がこれまで探求してきたO-17標識水のMRI動態イメージングを用い、プロトンの信号変化を用いる間接法に加えてO-17自体のNMR現象を用いる直接法で水動態イメージング法として確立する。MRIによる肉眼レベルでの脳全体の水動態イメージングに加えて、同位体顕微鏡によるO-18標識水の顕微鏡レベルでの解析も加え、正常動物から疾患モデル動物での水動態をマルチスケールで解析し、アクアポリン機能との関連も含め、今まで未知であった水動態に関連した神経変性疾患の病態解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
①MRI撮像法開発:O-17標識水の存在によるT2値の短縮を定量的に計測してO-17濃度を定量解析するため、プリパルスを利用した高速T2 mapping法の最適化を行い、精度検証を行った。った。異なる濃度のO-17標識水を含有した濃度ファントムを作成し、高速T2 mapping法と従来のFSE法によるT2 mapping法の精度を比較した。従来法と比較して高精度のT2値測定が可能となったが、低濃度域での精度が十分ではなく、安定性なども改善が必要と考えられた。 ②正常動物・疾患モデル動物でのMRI撮像:正常マウスやラットにてO-17標識水の静脈内投与や髄腔内投与、頸動脈内投与などを行い、脳脊髄液腔や脳実質のMRI信号変化を確認し、O-17濃度に変換することも可能になった。ALSモデルマウス・ラットにてO-17標識水を静脈内投与、髄腔内投与してMRI撮像を行った。野生型と比較して小脳でのO-17濃度上昇が認められ、臨床研究に応用することが可能になった。 ③同位体顕微鏡による水分子イメージング:多機能コーティング装置を用いて凍結下での標本作成から同位体顕微鏡によるイメージングまでの解析手順の確認や最適化を行った。 ④ヒトでのMRI撮像:認知症患者を対象にしたO-17標識水の髄腔内投与研究にて、特発性正常圧水頭症患者とアルツハイマー型認知症患者で研究を継続しており、間接法によるR2変化からの濃度計測に加えて、R2直接計測法も追加して検討を行った。安定性には改善が必要であるが、脳内のO-17濃度変化を捉えることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①MRI撮像法開発:高速T2 mapping法の開発は順調に進んでおり、濃度ファントムでの検討においても従来法と比較して高精度のT2値測定が可能となっている。精度低下の原因も明らかになっており、ヒトでの検討も可能になっている。 ②正常動物・疾患モデル動物でのMRI撮像:正常動物にて様々なO-17標識水の投与法を確立できており、正常の水動態や疾患モデル動物での水動態の検討を十分に行うことができている。AQP4欠損による水動態の変化や、ALSを含めた疾患モデルによる水動態の変化も検出できており、研究は順調に進んでいる。 ③同位体顕微鏡による水分子イメージング:凍結下での標本作成から同位体顕微鏡によるイメージングまでの解析手順を確立できており、世界で初めて水分布のミクロイメージングに成功した。今後は精度向上を目指していくが、現段階ではもう少し基礎検討が必要な状況である。 ④ヒトでのMRI撮像:臨床研究でも解析が進んでおり、症例数も増えているので研究は順調である。すでに1編の臨床論文を出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
①MRI撮像法開発:高速T2 mapping法について、新しいMRI装置での実装と最適化を行う。既存のT2 mapping法をゴールドスタンダードにして、濃度の異なるO-17標識水を満たした濃度ファントムを撮像し、可能な限り短時間で空間分解能の高いパラメータを設定し、濃度計測の精度も検証する。この高速T2 mapping法を利用して、ヒトでの撮像を行い、臨床研究に応用する。 ②正常動物での水動態の解明:正常動物にてO-17標識水の静脈内投与や髄腔内投与、頸動脈内投与を行い、連続的にMRI撮像を行う。経時的なMRI撮像データの信号値からO-17濃度に変換し、経時的な濃度マップを作成することで脳脊髄液や脳内の水分布の変化、すなわち水動態を可視化する。静脈内・動脈内や髄腔内に投与した水分子が、血管や血管周囲腔からどのように脳実質に入るかを時間的な経過を追って解析する。頚部リンパ管結節モデルにて、頚部リンパ液の流出を阻害することの影響を検討する。 ③AQP4ノックアウト動物でも同様の検討を行い、AQP4の有無による水動態の変容を明らかにする。また、AQP4阻害薬も用いて、急性変動を解析する。ALSモデル動物などの疾患モデル動物でも同様の検討を行い、正常動物との水動態の変容について解析する。 ④同位体顕微鏡イメージング:凍結切片を用いた同位体顕微鏡イメージングの開発を進める。標本作成技術やイメージング技術の最適化を行った後にO-18標識水を注入して異なる時間経過で標本作成を行い、水動態を解析する。
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