Project/Area Number |
21H03355
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
細岡 哲也 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 准教授 (60590594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪上 浩 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (60372645)
篠原 正和 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (80437483)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,810,000 (Direct Cost: ¥13,700,000、Indirect Cost: ¥4,110,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥10,270,000 (Direct Cost: ¥7,900,000、Indirect Cost: ¥2,370,000)
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Keywords | 褐色脂肪組織 / エネルギー基質利用 / インスリン / PDK1 / FoxO1 / 熱産生 / インスリンシグナル / エネルギー基質変換 / エネルギー基質選択性 |
Outline of Research at the Start |
褐色脂肪組織の機能低下が、肥満や糖尿病などの代謝性疾患の原因となることが示され注目を集めている。褐色脂肪組織は、熱産生のエネルギー基質として脂肪酸やグルコース、分岐鎖アミノ酸を利用するが、これらの基質利用と基質選択性のメカニズムは不明である。本研究では、インスリンシグナルの鍵分子PDK1に着目し、褐色脂肪組織のエネルギー基質利用・基質選択性のメカニズムを明らかにするとともに、褐色脂肪組織における基質利用・基質選択性の変化が全身の代謝に及ぼす影響を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ヒト成人における褐色脂肪組織の存在が証明されるとともに、褐色脂肪組織の機能低下が肥満や糖尿病などの代謝疾患に繋がることが示され大きな注目を集めている。褐色脂肪組織が熱産生を行う際には、脂肪酸やグルコース、分岐鎖アミノ酸などのエネルギー基質が利用されるが、褐色脂肪組織熱産生におけるこれらのエネルギー基質利用の制御メカニズムは不明である。インスリンは特に摂食後において、インスリン標的組織におけるグルコースや脂肪酸、アミノ酸の代謝等、生理的に非常に多くの局面で重要な役割を担っている。 代表者は、インスリンによる代謝作用の発現に中心的な役割を担う分子PDK1の褐色脂肪組織特異的ノックアウトマウス(B-PDK1KO)を作成し機能解析を行った。B-PDK1KOマウスは対照マウスと比べ、寒冷環境下において著明な体温低下を示したことから、褐色脂肪組織におけるPDK1経路は褐色脂肪組織の熱産生に重要であることが明らかとなった。一方、電子顕微鏡による観察において、B-PDK1KOマウスの褐色脂肪細胞内のミトコンドリアの数や形態に異常は認められなかった。また、ミトコンドリア電子伝達系遺伝子の発現量にも差は認められなかった。B-PDK1KOマウスにおける褐色脂肪組織熱産生低下のメカニズムを明らかにするために、B-PDK1KOマウスの褐色脂肪組織を用いたメタボローム解析を行った。その結果、対照マウスと比べB-PDK1KOマウスの褐色脂肪組織において、TCA回路の中間代謝物であるコハク酸濃度が著しく低下することが明らかとなった。B-PDK1KOマウスの褐色脂肪組織においてコハク酸の産生に関わる酵素の発現が低下していたことから、褐色脂肪組織におけるPDK1経路は、熱産生に必要となるエネルギー基質の供給を制御することにより褐色脂肪組織熱産生に重要な役割を担うものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
約半年にわたる学内の動物実験施設の工事により実験が極端に制限された。また、工事に伴うマウスの2回の施設移動によりマウスの繁殖成績が悪く、必要となる数のマウスが得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
褐色脂肪組織特異的ノックアウトマウス(B-PDK1KO)を用いたこれまでの解析により、褐色脂肪組織のPDK1経路が、TCA回路の中間代謝物であるコハク酸の生成を制御することにより褐色脂肪組織熱産生に重要な役割を担うことを明らかとした。 今年度は、B-PDK1KOマウスの褐色脂肪組織を用いて実施したRNAシークエンスの結果に加えて、培養褐色脂肪細胞を用いた実験を行い、PDK1経路によって制御されるTCA回路中間代謝物の生成に関わる酵素を特定する。また、TCA回路中間代謝物の生成に関わる酵素の発現に関わるPDK1の下流経路について解析を行う。また、PDK1の下流経路のうちmTORならびにFoxO1経路による褐色脂肪組織熱産生制御の可能性を検証するために、前年度までに作出した褐色脂肪細胞特異的PDK1/TSC1ダブル欠損マウス(B-PDK1/TSC1DKOマウス)、ならびに、褐色脂肪細胞特異的PDK1/FoxO1ダブル欠損マウス(B-PDK1/FoxO1DKOマウス)を用いて褐色脂肪組織機能を評価するとともに、褐色脂肪組織機能の変化が全身の代謝に及ぼす影響を検証する。さらに、B-PDK1KOマウス、B-PDK1/TSC1DKOマウス、B-PDK1/FoxO1DKOマウスの褐色脂肪組織を用いたメタボローム解析とトランスクリプトーム解析を行い、PDK1経路下流のmTORならびにFoxO1による褐色脂肪組織エネルギー基質利用制御メカニズムを解析する。
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