Project/Area Number |
21H03369
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
福尾 惠介 武庫川女子大学, 食物栄養科学部, 教授 (40156758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 修 鹿屋体育大学, スポーツ生命科学系, 教授 (00372615)
西川 浩樹 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (30769609)
榎本 平之 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (40449880)
大谷 直子 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 教授 (50275195)
横路 三有紀 武庫川女子大学短期大学部, 食生活学科, 講師 (80757188)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ミトコンドリア / 脂肪肝 / 肝発がん / 老化 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、我々が発見したミトコンドリア蛋白質Apop-1を標的とし、基礎研究では、Apop-1欠損マウスと野生型マウスを用いて、ほぼ100%高脂肪食誘導性肝がんを発症する系における肝星細胞の細胞老化やミトコンドリア機能異常、肝発がんの程度を比較検討する。臨床研究では、非アルコール性脂肪性肝疾患/非アルコール性脂肪性肝炎患者を対象として、Apop-1 SNP解析により、臨床所見や組織所見(脂肪化・炎症・線維化・肝星細胞の老化)、さらに累積発がん率とApop-1との関係を検討する。すなわち、Apop-1に焦点を当て、基礎と臨床の両面から、脂肪肝から肝がんへの発症機構を明らかにするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、我々が発見したミトコンドリアタンパク質Apop-1 に関する基礎研究と臨床研究により、高脂肪食によって誘導される肝発がんの発症機序を明らかにしようとするものである。基礎研究では、Apop-1ノックアウトマウスと野生型マウスを用いて、肝星細胞の細胞老化と老化した細胞から炎症や腫瘍の発生を促進する物質が分泌されるというSASPの病態や肝がん発症の程度について比較検討し、臨床研究では、脂肪肝患者を対象として、Apop-1 SNPと脂肪肝の病態や肝がん発症の程度との関係を検討する。(1)基礎研究:高脂肪食後の腸内細菌叢の違いの解析、マウス血中デオキシコール酸(二次胆汁酸)などの測定測定、組織学的解析(HE染色やオイルレッドO染色による形態学的な解析、CellROX○R試薬を用いたROS産生の検討、免疫組織染色によるp21、p16などの細胞老化指標、肝星細胞の指標であるα-SMA、desmin、SASPの指標であるIL-1βなどの解析)、定量PCRによるマウス組織よりtotal mRNAを抽出し、IL-6、IL-1βなどの発現を解析する。 (2)臨床研究 1) Apop-1 SNPとNASH発症・発がんとの関連の検討では、病理学的にNAFLD/NASHと確定診断された症例を対象とし、NASH患者の凍結肝組織や末梢血単核球から抽出されたDNA検体を用いる。これらのDNAを用いて、Apop-1 SNPを検討し、General populationのApop-1 SNPの多型比率と比較する。さらに、肝生検後の累積発癌率との関係を検討する。 2) Apop-1 SNPと腸内細菌叢との関係の検討では、NAFLD/NASH症例の腸内細菌叢を解析し、食事の摂取傾向との関係に与えるApop-1 SNPの影響について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
APOP1ノックアウトマウスを用いて、DMBAと高脂肪食摂取による化学肝発がん実験を行った。その結果、litter mateのWTマウスにおいては、平均30個/個体くらいの腫瘍形成を認めたが、APOP1ノックアウトマウスにおいては、体重変化はほとんどなかったにもかかわらず、ほんの数個しか腫瘍形成を認めず、APOP1ノックアウトマウスにおいて顕著な腫瘍形成の抑制を認めることが明らかになったため。また、臨床研究では、Apop-1 SNPにおいて、HCV 排除後 (N=51), NAFLD/NASH (N=82) いずれもApop-1のMinor alleleを有する例では脂肪化の程度や合併率が高い傾向にあることが明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
APOP1は最近、電子伝達系複合体IVのアセンブリータンパク質COA8であることが判明している。今後、基礎研究においては、ミトコンドリアにおけるエネルギー代謝に着目し、腫瘍抑制を認めたメカニズムの解明を目指す。また、肝がん発症モデルにおいてもApopKOマウスにおいて肝臓の脂肪化抑制が認められたため、Apopが肝臓脂肪蓄積に関わる分子的機序の解明の手掛かりを得ることを目的としてApopKOマウスを用いた高脂肪食負荷実験時の肝臓サンプル(WT普通食群、WT高脂肪食群、ApopKO普通食群、ApopKO高脂肪食群、各3検体)のRNA抽出を行い、次世代シーケンス解析を行う。臨床研究においては、今後さらに症例数を増加して検討を行う。
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