Project/Area Number |
21H04349
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 2:Literature, linguistics, and related fields
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
青木 博史 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (90315929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小木曽 智信 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 教授 (20337489)
北崎 勇帆 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (00847949)
渡辺 由貴 (市村 由貴 / 渡辺由貴) 常葉大学, 教育学部, 准教授 (10569776)
村山 実和子 日本女子大学, 文学部, 講師 (50783586)
ジスク マシュー・ヨセフ 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (70631761)
山本 真吾 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (70210531)
吉田 永弘 國學院大學, 文学部, 教授 (30363906)
大槻 信 京都大学, 文学研究科, 教授 (60291994)
山本 佐和子 同志社大学, 文学部, 准教授 (00738403)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥41,730,000 (Direct Cost: ¥32,100,000、Indirect Cost: ¥9,630,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,790,000 (Direct Cost: ¥8,300,000、Indirect Cost: ¥2,490,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,660,000 (Direct Cost: ¥8,200,000、Indirect Cost: ¥2,460,000)
Fiscal Year 2021: ¥9,620,000 (Direct Cost: ¥7,400,000、Indirect Cost: ¥2,220,000)
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Keywords | 抄物資料 / コーパス / 日本語史 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日本語史上の大きな転換期を示す中世後期の重要資料「抄物」について、①コーパスの構築と公開、②コーパスの応用研究、という2つのアプローチを行うものである。①については、代表的な抄物を対象としたコーパスを構築・一般公開し、これまで空白となっていた15, 16世紀の日本語の定量的・客観的な分析を可能なものとする。本文批判を徹底的に行なったうえで、これまでのコーパス構築のノウハウを活かし、コーパス化の作業を進める。②については、文法・語彙・表記・類型論的研究など多方面にわたって、「抄物コーパス」を利用した室町時代語研究、さらには通時コーパスを応用した総合的な日本語史研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,まず,コーパス構築の方針を策定しながら,翻字・校訂の作業を進めた。代表的な抄物資料のうち,『中華若木詩抄』から着手した。『中華若木詩抄』については,写本・版本(古活字版・整版)数種があるため,これらを校合しながら適切な本文を制定していく必要があるが,本年度は古活字版を底本とした翻字テキストデータを作成した。次年度以降,写本・整版数種と校合しながら校訂を行い,テキスト構造の情報を含めた機械可読なXMLのタグを付与する作業を進めていく。また,『毛詩抄』についても,岩波文庫本を底本とした翻字テキストデータを作成した。今後,『中華若木詩抄』と並行して,校訂およびXML化の作業を行っていく。 本年度は,本文制定のための輪読会,あるいは,抄物の言語を中心とした日本語史研究会を実施することができなかった。しかし,コーパス構築班を中心とした構造化の検討をオンラインで実施したほか,研究分担者以外の研究協力者や学術研究員との協同により,データ構築の作業はほぼ予定通り進めることができた。また,研究分担者における個々の研究も,情報交換を行うことで順調に進められた。特筆すべき業績として,研究分担者の小木曽智信氏が,じんもんこん2021(情報処理学会・人文科学とコンピュータ研究会,2021年12月)において,ベストポスター賞を受賞したこと,研究分担者の北﨑勇帆氏が,2021年度日本語学会論文賞を受賞したことなどが挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,①コーパスの構築と公開,②コーパスの応用研究,という2つのアプローチを行うものであるが,①については,役割分担に則って計画的に進めたため,おおむね順調に進展したと言える。ただし,本年度は対面での情報交換ができなかったため,十分な検討に至らなかった部分もいくらか残った。②については,抄物の言語を中心としながら,通時コーパスを応用した総合的な日本語史研究を行う形で,順調に進展した。対面での研究会が開催できなかった点は残念であったが,必要に応じてオンラインを利用して情報交換を行った。本研究の全体を鑑みるに,当初の計画に沿う形で,おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
対面での研究会や打合せが実施できるのに越したことはないが,それらが実施できなくても,今年度はおおむね課題を遂行することができた。研究組織,および役割分担が十分であることが確認されたので,今後とも,オンラインのノウハウを活かし,必要に応じて情報交換を行いながら,当初の研究計画に沿って進めていきたい。
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