Project/Area Number |
21H04432
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 12:Analysis, applied mathematics, and related fields
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
長田 博文 中部大学, 理工学部, 教授 (20177207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
種村 秀紀 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (40217162)
舟木 直久 早稲田大学, 理工学術院, 名誉研究員 (60112174)
香取 眞理 中央大学, 理工学部, 教授 (60202016)
白井 朋之 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (70302932)
笹本 智弘 東京工業大学, 理学院, 教授 (70332640)
長田 翔太 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 助教 (90901033)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥41,340,000 (Direct Cost: ¥31,800,000、Indirect Cost: ¥9,540,000)
Fiscal Year 2024: ¥10,010,000 (Direct Cost: ¥7,700,000、Indirect Cost: ¥2,310,000)
Fiscal Year 2023: ¥9,620,000 (Direct Cost: ¥7,400,000、Indirect Cost: ¥2,220,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
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Keywords | 無限粒子系 / ランダム行列 / 確率解析 / 確率幾何 / 統計物理 / 無限次元確率微分方程式 / Dirichlet形式 / 可解モデル / クーロンポテンシャル / 干渉ブラウン運動 |
Outline of Research at the Start |
無限粒子系の確率解析学を発展させ、様々な問題に応用する。クーロンポテンシャルに代表される、遠距離で強烈な相互作用を持つ干渉ポテンシャルの下で無限粒子系のランダムな時間発展を研究し、様々な新奇現象を探求する。ガウス型ランダム解析関数の零点や無限次元SLEに応用して世界を大きく広げる。新展開において無限粒子系の世界は、いわば全宇宙であり、それを記述する確率解析学を作り上げる。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究チームの実績を列挙する。 Cauchy干渉ブラウン運動の無限粒子系の確率微分方程式を解いた。 拡散的な振る舞いを示す相互作用粒子系の大偏差についての研究を主に進めた。前年度に、単純排他過程と呼ばれる基本モデルに対して古典可積分系との関連をつけて大偏差を決定する方法を開発したが、その発展について検討し、その空間離散版を考えることが可能であることを見出した。また、KPZ系に対する解析手法の開発や、箱玉系と確率論の関係についての考察も進めた。 ユークリッド空間内のマーク付き定常エルゴード的点過程をベースにして,そのウィンドウ内の点配置に着目して,チェック複体やリップス複体を含む一般の$\kappa$-複体を構成し,そのパーシステント図をランダム測度と捉えて,ウィンドウのサイズを無限大にするスケール極限において大数の法則を証明した.相互作用粒子系、特に非勾配型と呼ばれる一般の系について相分離現象を解明し、分離境界面の運動として方向依存曲率運動を導出した。流体力学極限の収束の速さの評価を求めることにも成功した。 ChaundyとBullardの恒等式を楕円拡張した。 非エルミート行列値のブラウン運動の固有値過程を研究した。固有値過程は固有ベクトル・オーバーラップ行列の時間発展と結合する。この結合系を記述する連立の確率微分方程式を導いた。非エルミート行列値ブラウン運動の場合、固有値は複素平面上に分布する。この複素平面とは別の補助的な複素平面を導入し、2次元複素空間(実4次元空間)上のFuglede-Kadison 場という確率場を導入した。この確率場の対数微分からなる確率場に対してある極限操作を行うと、固有値点過程と固有ベクトル・オーバーラップ行列の対角成分を重みとする marked 点過程が導出した。この Fuglede-Kadison 場の満たす確率偏微分方程式を定めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
根拠となる成果を列挙する。この研究チームで下記の研究をした。 経路に依存する非マルコフ過程の一例であるElephant Random Walk (ERW) についての研究を行った。本年度は、過去の記憶の選び方が冪分布に従い、正の方向に進むか同じ位置に止まるかを決めるというモデルを導入し、冪指数βと進む確率pを変えることにより3つの相が現れることを示し、各々の相でのERWの漸近挙動を示した。さらに閾値での振る舞いも決定した。 非エルミート行列値ブラウン運動を非正規行列、すなわちユニタリ―変換では対角化できない行列を初期値として時間発展させる。この系の固有値過程を計算機により数値的に求めると、非常に新奇な結果が得られることがポーランドの理論物理学のグループにより報告されている。この現象は擬スペクトルと呼ばれる1径数で指定される複素部分領域の挙動と関係するものと考えられる。固有値と擬スペクトルが共存する非エルミート・非正規行列値力学系モデルを提案し、詳しく解析した。固有値と固有ベクトル・オーバーラップ行列過程との結合系を、固有値過程と擬スペクトルの時間発展との結合系として定式化することが今後の研究課題である。 干渉ブラウン運動の末尾事象の自明性からエルゴード性を導いた。従来個数剛性で得られていた結果を著しく拡張し自然な主張まで昇華するものである。更に、一般次元のクーロン点過程を不変確率測度にする干渉ブラウン運動を記述する、無限次元確率微分方程式を求めその解を構成した。平面ガウス型ランダム解析関数の確率力学とその無限次元確率微分方程式を求めて説いた。ビットコインのトランザクションを重み付き二部グラフ化と見なし,特別な部分グラフを実際のデータから特徴量として抽出して,パーシステント図を計算した.
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Strategy for Future Research Activity |
平面ガウス型ランダム解析関数の確率力学とその無限次元確率微分方程式の研究を海外研究協力者と共に進めている。この研究対象は、非線形な非常に強い相互作用をもつ、従来にはない新奇性と数学としての端正な構造を備えたものである。現在第一論文を作成中である。研究分野として非常な広がりを持つと考えられるので、注力する。海外研究協力者は、剛性を持つ点過程の第一人者だが、本研究課題の、無限粒子系の確率解析学との協奏により、新しい数学の分野を切り開いていく。 クーロン点過程という無限粒子系の空間の確率測度は物理的に自然なものだが、構成されたのは最近である。その時間発展、確率力学の研究はまだなく、現在この研究チームが得ているも荷が唯一のものである。それに対して、論文を完成し更に、Ries点過程に拡張する。またtagged粒子の劣拡散性、或いは、拡散性という興味深い対局構造を解明していく。
ジャンプ型無限粒子系の確率力学の、大局的構造、tagged 粒子問題を解決する。
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