Project/Area Number |
21H04718
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 38:Agricultural chemistry and related fields
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
松田 一彦 近畿大学, 農学部, 教授 (00199796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 隆介 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 教授 (60507945)
加藤 直樹 摂南大学, 農学部, 准教授 (90442946)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥42,900,000 (Direct Cost: ¥33,000,000、Indirect Cost: ¥9,900,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,660,000 (Direct Cost: ¥8,200,000、Indirect Cost: ¥2,460,000)
Fiscal Year 2021: ¥23,660,000 (Direct Cost: ¥18,200,000、Indirect Cost: ¥5,460,000)
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Keywords | ニコチン性アセチルコリン受容体 / 機能的発現 / 膜電位固定法 / ネオニコチノイド / 微生物二次代謝物質 / 昆虫の変態 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、ショウジョウバエを中心とする昆虫の神経細胞で発現するニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)およびnAChR機能的発現調節因子の変態や性分化などに伴う変化を解明し、その成果をもとに再現したnAChRに対する合成および天然昆虫制御物質の活性を評価する。さらに、セイヨウミツバチのカースト間でのnAChRのサブユニット構成とnAChR機能的発現調節因子の違いを解明するとともに、本種と他の昆虫種との間での昆虫制御物質に対する感受性差をもたらす原因を解明することにより、高い標的昆虫種選択性を示す次代の昆虫制御技術を創出する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ショウジョウバエを対象として、Dα1、Dα2、Dα3、Dβ1およびDβ2ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)サブユニットが同一の神経細胞に発現しているのか調べた結果、成虫の生殖に関与する神経細胞で、共発現していることがわかった。そこでこれらのサブユニットを複数種組み合わせてアフリカツメガエル卵母細胞で発現可能なnAChRを調べたところ、計12種のnAChRが機能的に発現可能であることが明らかになった。これらのnAChRに対するネオニコチノイドのアゴニスト活性に対するサブユニットの寄与を多変量解析を用いて定量的に調べた結果、特にDα2サブユニットはネオニコチノイドのアゴニスト活性を低下させる作用をもつことが明らかになった。Dα1、Dα2、Dα3サブユニットをコードする遺伝子の発現を神経細胞特異的に抑制した結果、成虫のショウジョウバエでネオニコチノイド過敏現象が生じ、しかもオスとメスでその程度が異なることが明らかになった。 セイヨウミツバチについては、脳内の局所的なnAChRおよび機能的発現を補助する因子の遺伝子発現を調べ、部位の違いにより変動する因子があることを確認するとともに、Dα1、Dα2、Dα3、Dβ1およびDβ2サブユニットに対応する本種のサブユニットが形成するnAChRのネオニコチノイド感受性を決定した。 糸状菌が生産するnAChR阻害物質パラヘルクアミドAの作用機構について研究し、本物質が一見非拮抗的にnAChRに作用するように見えていても、実際にはアセチルコリン結合部位に結合することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、ショウジョウバエのニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)を構成するサブユニットが、変態、性分化に応じた変化を調べた上で、当該変化がnAChRに対するネオニコチノイドの活性にどのように影響するのか定量的手法を用いて明らかにした。その中で、通常標的タンパク質の発現抑制は薬剤の感受性の低下を引き起こすのに対して、ネオニコチノイドの場合には、過敏現象が生じることを発見した。プレスリリースした本研究成果に加えて、セイヨウミツバチでの組織別当のnAChRの動的変化もすでに解明している。これらの成果をふまえて当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、ショウジョウバエでこれまで機能的発現が未達成であったnAChRに対するネオニコチノイドの活性を評価し、その成果をセイヨウミツバチにまで延伸する。また、セイヨウミツバチで社会形成によって生じる脳内のnAChR構成サブユニットおよび機能的発現補助因子の発現の違いを通常のRNA-seqやsingle cell RNA-seq解析を通じて明らかにし、それがどのようにネオニコチノイド等のnAChRに対する感受性に影響するのか理解する。さらに、農業害虫等の我々人類に対して有害に働く昆虫種のnAChRにも挑戦し、それらのネオニコチノイド等の殺虫性物質に対する活性を明らかにすることで、有害昆虫種の防除法を提案する。
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