Project/Area Number |
21H04843
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Medium-sized Section 58:Society medicine, nursing, and related fields
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
池田 敦子 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (00619885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 弘幸 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (10414286)
池中 良徳 北海道大学, One Healthリサーチセンター, 教授 (40543509)
Goudarzi Houman 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (40713607)
山口 健史 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任准教授 (80894972)
惠 淑萍 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (90337030)
中村 明枝 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 分子内分泌研究部, 室長 (90724708)
アイツバマイ ゆふ 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任准教授 (90752907)
増田 秀幸 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任助教 (20869119)
POUDEL KRITIKA 北海道大学, 保健科学研究院, 特任助教 (40893764)
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Project Period (FY) |
2021-04-05 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥42,510,000 (Direct Cost: ¥32,700,000、Indirect Cost: ¥9,810,000)
Fiscal Year 2024: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
Fiscal Year 2021: ¥17,940,000 (Direct Cost: ¥13,800,000、Indirect Cost: ¥4,140,000)
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Keywords | 環境化学物質 / 内分泌かく乱 / 遺伝子発現 / バイオマーカー / 環境疫学 / 内分泌かく乱作用 / 疫学研究 / フタル酸エステル類 / 網羅的遺伝子発現 / 喘息 |
Outline of Research at the Start |
本研究は出生コホートを基盤とし、環境化学物質曝露による健康影響の機序を明らかにすることを目的とする。保存済みの臍帯血、前向きに追跡している参加児の生体試料を用いて、有機フッ素化合物、フタル酸エステル類の曝露評価を行う。子どもの各種ホルモン、カテコールアミン類、炎症メディエーター等を測定し、曝露との関連、疾病との関連を疫学研究で解明する。動物実験では、曝露による典型的な遺伝子発現の変化を確認し、曝露マーカーとなり得るタンパク質あるいはホルモン等を探索する。最終的に、曝露によるAdverse Outcome Pathwayの概念に基づく評価を行い、曝露と健康との関連における機序を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
疫学研究では、「北海道スタディ」に参加する9-12歳児の血漿中Th1/Th2サイトカイン17項目とエオタキシン測定を実施し、IL-8、IL-17、NCO-1、MIP-1β、TNF-αおよびエオタキシンの6項目の検出率は50%以上だった。サイトカインは相互に正の相関を示したが、FeNO、IgE、好酸球との相関は認められなかった。エオタキシンが高いと喘鳴および湿疹の、IL8、MIP-1β、TNF-αが高いと湿疹のリスクが増加したが、フタル酸エステル類曝露とサイトカインの関連は認められなかった。 独自に開発した内標準物質による定量LC/MS分析法を利用し、血液中の各種lysophosphatidylethanolamine、脂肪酸ヒドロキシル化脂肪酸、ステロイドホルモンのうち、Keto誘導体化した8項目の定量が完了した。 フタル酸エステル類代替物質DINCH、DEHTPは2012年から2017年に子どもの曝露レベルが増加傾向を示した。有機リン系難燃剤曝露について、TDCIPPは喘鳴のリスクをあげ、TDCIPP、ΣTPHP、ΣTBOEPはFeNOが高値、ΣTPHPは好酸球が高値のリスクをあげた。PFR混合曝露の検討では、PFR混合曝露FeNOと好酸球との正の関連を示し、子どものリン系難燃剤曝露は喘息アレルギー症状およびTh2炎症を誘発することを示唆した。 動物・細胞実験分担研究においては、PFOA代替物質であるGenXの胎盤や母乳を介した次世代への曝露影響を調べた。妊娠ICRマウスに、水(対照群)、GenX 0.3 mg/kg及び 3 mg/kgをそれぞれ経口曝露した。それぞれ出生後7日目の仔マウス肝臓からmRNAを採取し、網羅的遺伝子発現解析を行った。GenX投与量に応じた肝肥大作用と変動遺伝子数の上昇を認めた。前年度実施したPFOA曝露に比べ、GenX曝露の方が強い毒性影響を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
9-12歳の子どもの血漿サンプル中のバイオマーカーとして、ヒトTh1/Th2関連サイトカイン17項目及びエオタキシンの測定をバイオプレックスで、lysophosphatidylethanolamines (LPE)、及び脂肪酸ヒドロキシル化脂肪酸(Fatty Acid esters of Hydroxy Fatty Acid: FAHFAs)をLC/MS/MSで測定した。また、性ホルモンとしてはステロイドホルモン、に加えて、LH、FSH、Inhibin B、INSL3を測定したことで、計画していた各種バイオマーカーの分析がほぼ終了した。曝露評価としては、フタル酸エステル類代謝物10化合物、リン系難燃剤代謝物13化合物、ビスフェノール類7化合物の曝露評価が完了している。最終年度となる令和6年には、これらの得られた測定結果を用いて曝露とバイオマーカーとの関連解析を進めることが可能であることから、研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
9-12歳の子どもの血漿中Th1/Th2関連サイトカイン17項目とエオタキシン、lysophosphatidylethanolamines (LPE)、及び脂肪酸ヒドロキシル化脂肪酸(Fatty Acid esters of Hydroxy Fatty Acid: FAHFAs)の測定が終了した。今年度は、性や年齢、BMI等の基本属性との関連に加えて、フタル酸エステル類、リン系難燃剤、およびビスフェノール類等の化学物質曝露との関連解析を推進する。さらには、リン系難燃剤とアレルギーにサイトカインが介在するか検討を進める。性ホルモンについては、フタル酸エステル類およびリン系難燃剤曝露とステロイドホルモン、LH、FSH、Inhibin B、INSL3との関連について現在論文を投稿準備中である。14-17歳については測定が修了したステロイドホルモン、LH、FSHについて、性や年齢、BMI等の基本属性との関連に加えて、二次性徴発来のステージとの関連について解析を進める。 動物実験については妊娠ICRマウスにPFOA代替物質であるGenXの胎盤や母乳を介した次世代への曝露影響を調べた。今後は妊娠ICRマウスにDEHP単独あるいはPFOA/DEHP複合を経口曝露し、出生後7日目の仔マウス肝臓における網羅的遺伝子発現解析を行う。一昨年度実施したPFOA単独曝露やDEHP単独曝露の結果を考慮し、PFOA/DEHP複合曝露の影響を調べる。マーカーとなり得る遺伝子についてRT-PCRによる遺伝子発現解析やウエスタンブロット法によるタンパク発現解析を行う。
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