Project/Area Number |
21J10052
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 01020:Chinese philosophy, Indian philosophy and Buddhist philosophy-related
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
武本 宗一郎 早稲田大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2021: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | 二乗作仏論 / 教判論 / 『法華経』解釈 / 天台宗 / 法相宗 / 一乗 / 十義 / 三論宗 |
Outline of Research at the Start |
平安時代初頭に交わされた最澄・徳一論争が、唐代の中国仏教において成熟した仏性の議論が日本に移入した最初期の例であると同時に、後世の日本仏教の仏性思想を形作った結節点であることを実証し、東アジアの仏教思想史を描出する。そのために、同論争で議論される<無性種性論>・<二乗作仏論>・<車乗論>というテーマを通史的に研究する。すなわち各テーマに関して、最澄・徳一論争が唐代の仏性論争をどう受容したか(前史)、同時代の思潮とどのような関係があるか(同時代史)、後代の仏性思想へどのような影響を与えたか(展開史)という視座から検討する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、『法華経』解釈と教判論に関する研究を遂行した。 『法華経』解釈については、『法華経』譬喩品には、長者が自らの力で「衣(衣へんに戒)」と「几案」によって諸子を火宅から運び出そうと思案する場面が説かれる。この経文解釈をめぐって、最澄撰『守護国界章』の記述に基づきつつ、智周・栖復といった中国法相唯識学派の説と、行賀・真興といった日本法相宗の学匠の説とを比較検討することで、法相教学史の展開を考究した。 教判論については、法相三時教判に対する最澄の批判とその後代の天台・法相教学における受容を考察した。その中で、天台宗の論義である「五時証拠」の議論は、法相宗の論義である「深密三時」の議論から影響を受けていることを明らかにした。また、法相教学からの影響は、『法華文句要義聞書』にも看取でき、宗派を超えた対論によって、両宗の教学が進展してきたという側面が少なからずあることを鮮明にした。 加えて、天台教学における『提謂波利経』教判上の位置づけを跡付けた。『提謂波利経』を教判論にどう位置づけるかという問題は、中国・日本仏教の学匠にとって一つの関心事であったが、『提謂波利経』が、必ずしも各学派の教理体系の中心に据えられた経典でないこともあり、その教理的研究が進んでいなかった。ここでは、智顗の説を起点として、日本中世の論義までを検討対象として、とりわけ最澄の解釈が後代の天台教学に大きな影響を及ぼし、その路線の上に議論が精緻化されていったことを明らかにした。 以上の研究活動により、一定程度、最澄・徳一論争を日本仏教史上に定位することができた。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|