Project/Area Number |
21J15462
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Review Section |
Basic Section 02070:Japanese linguistics-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉本 裕史 名古屋大学, 人文学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2023-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2022: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2021: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 副詞 / 通時的研究 / 擬音語・擬態語 / 文法史 / 語彙史 |
Outline of Research at the Start |
現代日本語は、古代日本語と比較すると副詞語彙が豊富である。しかし、副詞の歴史的研究は蓄積が少なく、副詞がなぜ・どのように伸張してきたのかは不明な点が多い。本研究は、「きっと」のような、元来擬声語とされる副詞に着目し、その語史を叙述する。これらの副詞は、現代に至るまでに文法面・運用面での変化を経たと思しい。本研究は、日本語副詞史研究の一端を担い、日本語文法史の解明にも貢献するものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度重点的に取り組んだ課題は、①「ずっと」の語史研究、②各副詞の語史研究から得られた個別の成果の一般化の二つである。なお、課題①は昨年度研究計画の続きである。課題②は当初の研究計画通り着手できた。 課題①の成果として、擬態語「ずっと」が近世期に時間量・空間量を表す副詞および程度副詞へと変化したことが用例調査により確認できた。本研究成果については、論文投稿にむけて現在準備を進めている。 課題②の成果については、今後、修正・精緻化が必要となるが、およそ以下のような見通しを得た。従来の先行論および本研究により、擬声語に由来する副詞には程度副詞(ずっと、ちょっと、もっと等)および広義の陳述副詞(きっと、ひょっと、ちゃんと等)へと変化するものが一定数存在することが示された。中でも、擬声語に由来する副詞の典型例と思しい「きっと」「ちゃんと」「ちょっと」「ずっと」は程度副詞あるいは広義の陳述副詞へと変化する語群にあたると考えられる。また、上記のことから、擬声語という語彙がより機能的な副詞へと歴史的に変化していく背景には、程度副詞や陳述副詞といった、程度性を有する表現のバリエーション拡大のために副詞が増加してきたという可能性の存在が予想される。 また、擬声語がより機能的な副詞へと変化する際には「推意の表意化」が半ば共通のものとして起こりやすいことが予想される。これは、擬声語がかつては「音象徴部+と」により、音象徴的に様態を表すという意味機能を担っていたことに起因する。つまり、擬声語は、音象徴的に様態を表すというその意味機能により、より機能的な副詞へと変化する際には共通の変化を経やすいという可能性が考えられる。 課題①の成果および課題②から得られた見通しは、今後修正作業を加えていき、論文投稿にむけて準備を進めていく。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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