Project/Area Number |
21K00058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01020:Chinese philosophy, Indian philosophy and Buddhist philosophy-related
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Research Institution | Minobusan University |
Principal Investigator |
西 康友 身延山大学, その他部局等, その他 (90761643)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | Buddhist Studies / Saddharmapundarika / 法華経 / 『ケルン・南條本』 / インド仏教学 / レーベンシュタイン距離 / 計量文献学 / 情報工学 / 仏教混淆梵語 / 言語解析 / 電子化テキスト |
Outline of Research at the Start |
『ケルン・南條本』は、梵文法華経研究に一般的に用いられる標準テキストでありながら、編集方法に多くの不備がある。この解決にはすべての梵文法華経写本の語彙・語形・語法・書写法・韻律等の言語学的分析が必要である。 本研究は、『ケルン・南條本』の校訂・補完のための、言語学的分析に基づいた梵文法華経写本集成本の編纂を目指す。 膨大な梵文法華経写本の言語分析作業を効率よく進捗させるために、研究協力者(情報工学者)と独自開発した言語解析プログラム解析ツールを用いて、本研究を遂行する。
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Outline of Annual Research Achievements |
『ケルン・南條本』(KN)は脚注の不備や、異なる書写年代・出土地域を区別しない写本の校合といった編集上の問題が多く指摘されてきた。この解決のため、本研究ではKNに用いられた梵文法華経(SP)写本の語彙・語形・語法・書写法・韻律等の分析と、KN本文・脚注のローマ字化と脚注の補完を行なった。膨大なSP写本の分析を効率よく進捗させるため、研究協力者(情報工学者)とともに言語解析プログラムを開発し、これを活用することで本研究を推進してきている。 本年度は前年度までの研究方法を継続し、以下に取り組んだ:(1)KN第8-13章(199-296頁)における本文・脚注のローマ字化;(2)KNに用いられたSP写本第8-13章における10種類のSP写本ローマ字本の電子化テキスト作成;(3)(2)の電子化テキストの校正;(4)言語解析プログラムの開発・更新についての研究協力者との討議(毎月1-2回程度);(5)(3)の電子化テキストを言語解析プログラムに媒介させた集成テキストの生成;(6)KN第8-13章における脚注の補完の原稿作成;(7)(6)を推敲しPhilosophica Mahayana Buddhica Monograph Series 9(大乗仏典思想叢書第9号)として刊行。 (7)については冊子100部を製本し、関連研究者・大学・研究機関・図書館等に謹呈している。また、本研究成果を世界の研究者が利用できるよう、本研究代表者のwebサイトや学術サイトを通じて、(7)のPDF版をダウンロードできるようにしている。 上記のほか関連する研究成果には、学術論文3本、国内学会口頭発表2回、講演1回がある。さらに、「佼成新聞」や「佼成新聞DIGITAL」、中央学術研究所所報「CANDANA」に本研究の概要を掲載し、専門家ではない一般の多くの人々に対しても発信を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、『ケルン・南條本』(KN)本文・脚注のローマ字化とこの脚注の補完である。今年度はKN第8-13章(199-296頁)の本文・脚注のローマ字化とこの脚注を補完し、その成果をPhilosophica Mahayana Buddhica Monograph Series 9 Kern-Nanjio’s Edition Romanized Text III(大乗仏典思想叢書第9号「梵文法華経『ケルン・南條校訂本』ローマ字本・脚注補完第3分冊」)として刊行した(2024年2月15日付)。 これは当初の計画に準じた成果であり、本研究は現在までにおおむね順調に進展している。これまで、研究協力者とともにレーベンシュタイン距離などを応用した言語解析プログラムを開発して、10種類のSP写本ローマ字本の集成テキストの生成が可能となったことは、本研究作業の効率に飛躍的な向上をもたらした。このおかげで当初に計画した研究方針に大きな変更もなく、本研究の推進ができている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の「研究実績の概要」に挙げた(1)-(7)にある研究方針を継続し、研究を進める。具体的には『ケルン・南條本』(KN)第14-19章(KN第4分冊:297-385頁部分)の本文・脚注のローマ字化、および本研究実績(2)-(3)と同様にKNに用いられた梵文法華経(SP)写本(KN底本)第14-19章の電子化テキストを作成する。これを言語解析プログラムに媒介させ、KN底本間の異なる読み(異読)の語を見出し、KN第14-19章の脚注の補完をする。 本研究では、電子化テキストをいかに精確に作成できるか、また膨大な写本本文の中から、KNとKN底本間の異読をいかに効率よく見つけ出すかが最大の鍵となる。 このことを推進するため、①KN底本の電子化テキストを章ごとに区分する;②レーベンシュタイン距離を応用した言語解析プログラムに①を媒介させる;③②によって、KNとKN底本間で最も類似度が高い写本の読みを見つけ出す;④③により、集成テキスト(KN底本のKNの読みに相当する箇所の一覧)を作成する。④によって、KNとKN底本間の異読を容易に見つけ出すことができ、KN第14-19章における脚注の補完が効率よく推進できると期待される。 次年度の本研究成果についてもPhilosophica Mahayana Buddhica Monograph Series (Print version: ISSN 2434-8465, Online version: ISSN 2435-3515)から発刊する予定である。
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