Project/Area Number |
21K00070
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 01030:Religious studies-related
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
小布施 祈恵子 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 客員研究員 (90719270)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | マレーシア / 仏教 / イスラーム / イスラーム化政策 / マレーシア国際イスラーム大学 / 宗教間対話 / イスラーム化 / 宗教的マイノリティ / 宗教多元主義 / 宗教多様性 |
Outline of Research at the Start |
本研究では現代マレーシアにおけるムスリムの仏教観および宗教多様性に関する言説の変遷を社会・政治的文脈に即して考察し、東南アジアにおける仏教徒とムスリムの関係のより包括的理解を目指す。具体的には主要大学に所属する宗教研究者の仏教と宗教多様性に関する見解および宗教間対話活動を調査し、政府の宗教政策や国内の宗教・民族間関係、および国外の政治的・学術的動向がいかに彼らの見解に影響してきたかを考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度はCOVID-19パンデミックの影響による渡航制限等がなくなり、現地調査を行うことができるようになったので、クアラルンプール市内でマレーシア国際イスラーム大学所属の研究者を中心に意見交換や聞き取りを行った。この結果以下のことが判明した。 現代マレーシアにおけるムスリムの宗教研究者の仏教観および仏教徒に対するスタンスは、マレーシア政府のイスラーム化及びイスラーム優遇政策に影響をうけてはいるものの、仏教をはじめとするイスラーム以外の宗教への関心は近年少しずつ高まり、非ムスリムの研究者との共同研究や対話に進んで従事するムスリムの研究者も増加しつつある。特に若手研究者の間では仏教徒とムスリムの関係を主要研究テーマに設定するなど、仏教に関連する研究活動を継続的に行う事例が見られるようになっている。このことから少なくとも高等教育機関においては、仏教を語ることに消極的であった従来の風潮に変化が生じつつあると言える。 またこのような新しい研究の潮流を理解するにあたって興味深いのは、自らの意思ではなくむしろ自分より長いキャリアを持つ研究者から助言によって仏教関係のトピックの研究に従事し始める若手研究者が少なからずいることである。特にマレーシア国際イスラーム大学においては近年、大学全体の研究プロフィールの拡大と思われる政策の一環として、仏教等これまでカバーされていなかった宗教に関する研究を若手研究者に担わせるといった動きがあるようである。この要因としてはマレーシア政府による宗教間対話の推進やマレーシア国内の仏教復興運動、さらには国際的な宗教言説の変遷等が考えられるが、これらについては今後より深く検討してゆきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度はマレーシアへの渡航が可能となり、クアラルンプール市内でさまざまな宗教研究者と面会することができたので、これまでの現地調査の遅れをかなり取り戻すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は2023年度の現地調査で得られたデータに基づき、仏教に関連する研究を継続的に行っている若い世代のムスリムの研究者の仏教観および宗教多様性に対するスタンス、そしてムスリムの研究者が以前よりも仏教を積極的に語り始めている背景にはどのような政治・社会的要因があるのかを、マレーシアの国内外の動向をふまえて分析する予定である。
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