Project/Area Number |
21K00301
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
押野 武志 北海道大学, 文学研究院, 教授 (70270030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横濱 雄二 甲南女子大学, 文学部, 教授 (40582705)
諸岡 卓真 北星学園大学, 経済学部, 教授 (40528246)
高橋 啓太 花園大学, 文学部, 准教授 (50598638)
井上 貴翔 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (70770551)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 探偵小説 / 災害 / 震災 / 戦災 / 危機表象 / ミステリ / 危機 |
Outline of Research at the Start |
20世紀以降の日本で発生した危機的事象(疫病、関東大震災、戦災、阪神淡路大震災、東日本大震災、原発事故…)を日本のミステリは、どのように表象したのかを研究する。謎解きという高度に読者参加を要求するこのジャンルは、娯楽性と読者が作品にコミットする当事者性も備わっている。こうしたミステリの表現形式の特殊性と歴史的事象との関係性を分析することで、日本近現代ミステリ固有の危機表象の特質を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
日本において1920年代に成立した「死」や「恐怖」を素材とするミステリは、20世紀以降の危機的事象(疫病、関東大震災、戦災、阪神淡路大震災、東日本大震災、原発事故…)をどのように受け止め応答しようとしたのかを究明する共同研究であった。 その成果は、以下の3点にまとめることができる。 第1に、ミステリ研究の社会的な重要性と学術的価値を高めることができた。SF、幻想文学、リアリズム小説、サブカルチャーなどと隣接し、接合点ともなりうるミステリ固有の危機表象の特質を明らかにし、20世紀以降の新たな文学と社会との関係性や危機的状況への応答可能性を、ミステリというジャンルを通して究明することができたからである。 第2に、危機表象を視座に100年単位の日本近現代ミステリ史を構築し、ミステリ概念の変容の過程を体系的に記述する初めての試みとして学術的に評価することができる。 第3に、これまでの文学及び文学研究が前提としていたような、虚構と現実、あるいは真実性といった理論的前提を再考する視座を提供することができた。カルチャー/サブカルチャーにまたがる境界的なジャンルとしてのミステリの特質を明らかにすることで、虚構と現実の二分法が成立しない今日的な日本の総体的な文化状況の見取り図を描き、新たな研究方法を提示することができた。作品世界への読者の「没入」の高さやゲームとしての状況設定の荒唐無稽さが同居するこのジャンルは、旧来の自然主義的なリアリズムとは異なる、読者が求める今日的な「情動的カタルシス」と「真実性」を提供しているからである。
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Report
(3 results)
Research Products
(39 results)