対馬に於ける文禄・慶長の役関連言説の生成・変容とその背景
Project/Area Number |
21K00316
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
徳竹 由明 中京大学, 文学部, 教授 (30387609)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
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Keywords | 対馬藩 / 文禄慶長の役 / 対外戦争 / 家譜 / 虎狩 / 大石智久 / 文禄・慶長の役 / 対外戦争叙述 |
Outline of Research at the Start |
日本と朝鮮半島との結節点である対馬島を中世以来領有してきた大名宗氏(対馬藩)は、長年にわたり朝鮮王朝との通行を行ってきた。そうした背景もあり、豊臣秀吉の朝鮮侵略(文禄・慶長の役)に際しては、出兵前の交渉、出兵の際の先陣、また撤兵後の講和交渉等多様な役割を担ってきた。その宗氏が文禄・慶長の役をどのように叙述してきたのかを、まずは対馬関連の文献から抽出・整理する。。その上で朝鮮半島で行動を共にしたことのある福岡藩・平戸藩等他藩の言説や『朝鮮太平記』『朝鮮軍記大全』等の文芸作品、海外の文献と比較・分析し、宗氏の言説の特徴・独自性、そして経年による変化の有無等を明らめていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、対馬市の長崎県対馬歴史研究センターへ5回、長崎市の長崎歴史文化博物館へ7回、文献調査へ出向いた(勤務先の研究費での出張も含む)。長崎県対馬歴史研究センターでは主として宗家文庫の資料を、長崎歴史文化博物館では、主として山口文庫の資料を調査した。また対馬では対外戦争関連伝承地の実地踏査も行った。文献調査では特に長崎県対馬歴史研究センター・宗家文庫の家譜・系図関連の資料より、対馬の「文禄・慶長の役」関連言説に関して、多くの知見を得ることが出来た。 そうした知見を踏まえて、2023年1月29日(日)開催の「伝承文学研究会名古屋例会令和五年度一月例会」「第十回名古屋中世文芸・歴史研究会」合同の研究発表会(オンライン〈ZOOM〉開催)において、「対馬藩士大石氏系図の断簡を巡って―文禄・慶長の役・虎狩の資料として―」という題目にて研究発表を行った。22年度調査で発見した対馬藩士・大石氏の新出家譜断簡に記載された、大石党の主将であった大石荒河介智久の虎狩を含めた「文禄の役」での武功譚に関する考察を、多角的に行ったものである。その発表を踏まえて、中京大学『文学部紀要』第57巻第2号に、拙論「対馬藩士「大石氏家譜」の断簡を巡って――大石智久の文禄の役での武功譚・虎狩等――」(P149~P164)を掲載した。 現在、他の大石氏系図・家譜記載の「文禄の役」関連言説を、既述の新出断簡や他の文献記載の「文禄の役」関連譚と比較する論文の執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
進捗状況がやや遅れた理由は、2点ある。 1点目は、出張による文献調査が主体の研究であるが、新型コロナ禍に於いて、気管支系の持病が再発したため、当初想定していたよりは調査出張に行くことが出来なかった点である。 2点目は、調査の主対象である長崎県対馬歴史研究センター内の宗家文庫を始めとする資料が、同センターのホームページで、オンライン上で様々なキーワードでの検索ができるようになった結果、従来の紙の目録での下調べでは見落としていた研究上有意と考えられる題目の資料の存在が、新たに数多存在することが判明したためである。 2点目は嬉しい誤算であり、新たに存在が分かった資料の精力的な調査により、研究の確度と幅が広がることが期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策であるが、新型コロナ感染症が5類に引き下げられたこともあり、2022年度の遅れを取り戻すべく、主として夏季休暇期間終了までに、精力的に文献調査に赴きたい。長崎県対馬歴史研究センターの資料については、調査すべき資料の検索がオンライン上でおおよそ済んだので、効率よく文献調査が実施できるものと思う。長崎歴史文化博物館での調査も引き続き行っていきたい。秋学期以降は、主に調査した文献の整理と「文禄・慶長の役」に関する叙述内容の比較考察、そして研究発表、論文執筆を行っていきたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)