Project/Area Number |
21K00791
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02100:Foreign language education-related
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
小倉 麻由子 昭和女子大学, 国際学部, 准教授 (80896548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 護 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 講師 (50726346)
高畠 理恵 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 講師(非常勤) (40896502)
ガルシア カルメン 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 講師(非常勤) (10897341)
プリエト ベロニカ 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 講師(非常勤) (70897363)
齋藤 華子 清泉女子大学, 文学部, 教授 (40338249)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | スペイン語 / 高大接続 / 多文化多言語社会 / 中等教育におけるスペイン語 / 言語政策 / 複言語主義 / CEFR / 新指導要領 / 中等教育における第二外国語学習 / 高大連接 / 教育者コミュニティ |
Outline of Research at the Start |
本研究は、調査研究が手薄であったスペイン語教育での高大連接という課題について、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)を念頭に置いたカリキュラム・デザインや、これまでの中等教育でのスペイン語教育経験の蓄積、中等教育に関わる教員と学生・生徒の意識調査、首都圏を中心とした中等教育に関わるスペイン語教員と学習者のネットワーク構築を重視して研究を進める。CEFRとその補遺版を詳細に検討しつつ、新学習指導要領に合わせた言語教育ガイドラインを提案し、中等教育のスペイン語に関わるステークホルダー間の情報・意見交換を活発化させ、中等教育までのスペイン語経験を視野に入れたカリキュラム・デザインを大学側からも考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度には、研究初期段階に行った生徒・学生へのアンケートやインタビュー調査をまとめるとともに、初・中等教育機関においてスペイン語教育に携わる教員の実情について知見を得るべく、自分たちの実体験を見直し、さらにできるだけ多くの教員たちからの声を集めるためにアンケート調査を実施して、教育内容だけでなく、雇用状況なども含めて調査を行った。特に雇用状況については、安定して質の高い教育を提供する必要性があるにも関わらず、多くの教員が非常勤講師として、非正規雇用で、しかも5年で雇止めといったことが実際に行われている中で日々切磋琢磨しながら日本の外国語教育を支えているという実態がある。一方で、多くの大学でスペイン語を教えている教員たちは、あまり初・中等教育機関においてどのようなスペイン語教育が行われているかの知識がない。そのため、我々の研究結果のみならず、実際に初・中等教育機関でスペイン語教育を行っている教員たちの声を届け、さらに、実際にスペイン語教育を受けている高校生たちの声をまとめて紹介し、実際に教育に携わる教員たちの声を幅広く共有する機会を持つために、2023年3月3日に、昭和女子大学において、「スペイン語教育における高大接続の現状と未来」という題目でシンポジウムを開催した。その中で、県立の英語教員でありながら、自ら2つの異なる高校においてスペイン語の授業を立ち上げ、実践されている教員の声や、ほとんど作成されていない中等教育機関向けのスペイン語の教科書に関する調査発表、教員たちの声ならびに学生・生徒たちの声をまとめた本研究チームの発表、初等教育機関でスペイン語教育に当たっている教員たちの体験談、ネイティブ教員として中等教育機関で教えることの難しさ、高校生向けスペイン語スピーチコンテストから得られる結果などを発表し、さらに今後どのような方向に向かうべきかについて意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は文献調査、生徒たちの意識調査の実施・分析を行い、それをもとにオンラインでの意見交換の機会までは得ることができたが、高校でスペイン語教育に当たる教員たちのコミュニティづくりについては全く進めることができなかった。翌年の2022年度には、2021年度に行った調査・研究に基づき、「日本・スペイン・ラテン・アメリカ学会」(5月)で発表を行い、調査から得られた知識をどのように実際の高校の授業面で活かしているかを改めて確認することができた。一方で、大学でのスペイン語の継続学習に関する調査が不足していたことから、対面・オンラインでの両方の手段において大学でスペイン語を継続学習している学生たちにインタビューを実施し、高校でのスペイン語の学びが大学での継続学習にどのように影響しているか調査した。さらに、高校でスペイン語教育に当たる教員たちのコミュニティづくりに貢献すべく、2023年度末に計画していたシンポジウムを2024年3月3日(日)に開催することに至り、その中で、当シンポジウムに参加した高校でスペイン語を教える教員たちが立ち上げた教員コミュニティを紹介することができた。これは、本研究グループのメンバーが中心となって立ち上げたものではないにしろ、このようなグループが立ち会がるきっかけづくりをすることができたことで、広い意味で本研究の目的のひとつを達成することができたと思う。また、2023年度中には高校でスペイン語を教える教員を中心に、これらの教員たちの実態についてアンケート調査を実施し、先ほどのシンポジウム内で分析結果を報告することができた。ここから見えてきた課題についても、高校と大学でスペイン語を学ぶことに大きな影響を与えうる問題につながってくるため、今年度はそのあたりも視野に入れながら、本研究の最後のまとめを行っていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究最終年度となる2024年度では、あらたに行った生徒たちへの意識調査と、2023年度にまとめきれていなかった学生へのインタビュー調査の中から、特にネガティブな発言をもとに、今後の高校でのスペイン語学習における改善点を模索し、この研究活動が終わった後の課題として特定していきたいと思っている。本研究が始まった時には、高校と大学でカリキュラムの方向性を合わせることで、継続学習者を増やすことを目的として研究を行ってきた経緯があるが、それが機能しているケースもあれば、そこに教員と生徒の間の人間関係も合わさって、それによって素晴らしい結果にもつながることもあれば、むしろそれで二度とスペイン語に触れたくないということにもつながっていることが理解できた。さらに、今回得られた教員たちの実態調査結果より、高校でスペイン語を教える教員の多くが非常勤講師として勤務をしており、そのような不安定な雇用状況の中ではなかなか質を担保しながら良い教育活動を行っていくことが困難であることも明らかとなった。それについて、2024年3月のシンポジウムの中で発表したことを文字化してまとめることで、今後この点についてどのような改善ができるのか、新たな課題として次の研究テーマとして取り上げていくことも検討していきたいと思っているため、しっかりとまとめていきたいと思っている。また、それと並行して、2024年3月に実施したシンポジウムの中で行われたラウンドテーブルで話し合った内容についても、同様に文字化することで、高大接続のスペイン語教育が抱える課題について、一旦きちんとまとめたうえで、今後の研究テーマとしての課題として提言できればと考えている。
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