宮崎龍介を中心とする宮崎家所蔵資料の整理・公開・保存に向けた研究
Project/Area Number |
21K00832
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福家 崇洋 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (80449503)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 禎浩 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (10222978)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 宮崎龍介 / 無産政党 / 社会民衆党 / アジア主義 / 中国国民党 / 新人会 / 日中交渉 / 社会運動 / 大正デモクラシー / 日中交流史 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、宮崎龍介を中心とする宮崎家資料の目録作成・公開・保存の各作業を行うことにより、国内外の歴史研究者が宮崎家資料を活用できる環境を整えていくことである。宮崎龍介は父滔天の後を継ぎ、日中交流事業に尽力しただけでなく、帝大新人会、無産政党の運動に関わったことから、その資料群を明らかにすることは、近代日本の政治史、社会運動史、日中交流史の新たな側面を明らかにすることにつながる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究実績を研究報告と論稿に分けて報告する。まず報告から。2022年7月8日に京都大学人文科学研究所「20世紀中国史の資料的復元」共同研究班で「山東出兵前後の無産政党」の題で報告を行なった。これは田中義一外交期の1920年代末頃において無産政党がいかなる対中関係を構築しようとしたかを述べたものである。この歴史的背景をおさえたうえで、7月23日、9月10日の日本史研究会大会共同研究報告第1回、第2回準備会、10月9日の同研究会大会において「戦間期日中交渉における宮崎龍介」と題して報告した。これら一連の報告で、1910年代末から30年代初頭において宮崎龍介が父滔天の跡を継いで対中関係でいかなる役割を果たしていたかを歴史的に跡づけ、その独自のアジア主義と運動を実証的に浮き彫りにした。また、2023年3月28日にハイデルベルク大で「大川周明と国家改造運動」の題で講演と意見交換を行ない、宮崎と同時代のアジア主義に対して理解を深めた。 論稿では、上記の日本史研究会大会に対応する共同研究報告を原稿化した論文「戦間期日中交渉における宮崎龍介」が『日本史研究』727号に掲載されたことが本年度の大きな成果となる。これとあわせて、明治期から戦前昭和期の思想史を俯瞰できる『思想史講義』4冊(筑摩書房)を山口輝臣氏とともに編纂し、新人会から満州事変期までの宮崎龍介および無産政党の思想と運動を俯瞰的な視座から理解を深めることができた。同時に、「無産政党の台頭と挫折」(筒井清忠編『昭和史研究の最前線 大衆・軍部・マスコミ、戦争への道』朝日新書)で新人会から無産政党にいたる軌跡を、「樽井藤吉の軌跡と思想 」(奈良県立大学ユーラシア研究センター編『奈良に蒔かれた言葉II 近世・近代の思想』京阪奈情報教育出版)で近代日本のアジア主義に関する研究もすすめた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、宮崎龍介研究及び日中交流史研究の土台を再構成することである。そのための作業が宮崎家に所蔵される宮崎龍介関係資料の整理、保存、公開である。以下、進捗状況を説明すれば、今年度も宮崎家において数度資料整理に従事させていただいた。特に宮崎龍介が1920年代から30年代初頭にかけて取り組んだ無産政党運動に関する資料がまとまって残されており、今年度も同資料群を中心に整理・目録化の作業を行なった。作業はコロナ禍の影響を多少受けつつも順調に進んでおり、作業後の資料目録は学術誌への投稿・公開を予定している。同資料群は一部劣化しているものもあるため、中性紙封筒・箱に入れて保存した。 資料の整理・公開にとどまらず、宮崎龍介に関する研究も同時に進めていることは本研究事業の特徴である。これまで先行研究も少なく、実証的裏付けが乏しかった宮崎龍介の先行研究に宮崎家所蔵の一次資料から判明した歴史的事実を提供することで、同分野および日中交流史の研究を進めることができた。以上の研究は、資料目録に記載された各一次資料にいかなる歴史的意味があるのかを説明していくうえでも有益な作業になる。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる2023年度の研究の推進方策は、現在整理中の宮崎龍介旧蔵無産政党関係資料の目録を学術雑誌に解説付きで投稿することである。同資料の目録は宮崎研究にとどまらず、1920年代以降の無産政党研究、政治史研究にも寄与しうる。あわせて貴重な資料が今後も末長く閲覧可能なように中性紙封筒で保存を試みるほか、デジタル化などの方策をとりたいと考えている。以上にくわえ、宮崎龍介や彼のアジア主義、無産政党の活動などに関わる研究も同時に進めていくことができればと考えている。
|
Report
(2 results)
Research Products
(37 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 大正史講義2021
Author(s)
筒井清忠
Total Pages
494
Publisher
筑摩書房
ISBN
9784480074232
Related Report
-
-
-