出雲赤穴氏関係史料から探る中世後期武家領主の存在形態と行動様式
Project/Area Number |
21K00834
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
川岡 勉 愛媛大学, 教育学部, 研究員 (90186057)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 赤穴氏 / 佐波氏 / 武家領主 / 地域権力 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、中世出雲の領主であった赤穴氏の関係史料(「中川四郎氏所蔵文書」及び出雲赤穴氏・石見佐波氏の関連史料)を対象として、中世後期の武家領主の存在形態の特質と行動様式のメカニズムについて分析を加えていこうとするものである。 室町幕府―守護支配や惣領佐波氏との惣庶関係をはじめ、赤穴氏を取り巻く様々な関係性の網の目を視野に入れながら、また所有する知行地の空間構造や時代変動に伴う地域権力秩序の変容も押さえながら、赤穴氏や佐波氏の置かれた社会的地位を浮かび上がらせていきたい。原本調査をはじめとする文献史料の収集・分析と、現地におけるフィールド調査を組み合わせて、総合的に読み解いていくことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は3年計画でスタートしたが、初年度はコロナ禍のために移動を控えざるをえず、資料の閲覧制限もあって予定通りの調査ができず、手元にある刊本を手がかりに資料の収集・分析を進めた。2年目には資料調査・現地調査を精力的に実施し、山口県文書館・東京大学史料編纂所・広島県文書館・北九州市立いのちのたび博物館・茂木町まちなか文化交流館ふみの森もてぎ、広島大学付属図書館・岡山県立図書館・島根県立図書館などの機関に出向いて調査を行った。赤穴氏の活動の中心舞台となった島根県奥出雲町や、岡山県北部の出雲街道周辺の寺社や城郭の現地調査も実施した。最終年度も、因島市・東京都・岡山市・松江市・福岡市・京都市・高松市・徳島市に出張して資料調査や情報収集に努めた。 調査対象は出雲赤穴氏・石見佐波氏の関連資料が中心であるが、武家領主の存在形態と行動様式を考える上で参考事例となる筑前麻生氏・下野茂木氏・備後因島村上氏・安芸小早川氏・伊予河野氏の資料についても調査を行った。 これまで収集した資料の検討を進め、分析結果をもとに著書『戦国期守護権力の研究』(思文閣出版、2023年)を刊行した。本書の第1章「出雲における守護支配と武家領主」・補論1「武家領主の権力編成と役負担」・第10章「京極氏から尼子氏への出雲国成敗権の継承」・第11章「戦国期の権力秩序と出雲尼子氏」には、本科研の研究成果が直接反映されている。 このほか、「大内氏分国における段銭収取システムと知行制」(2022年)、「書評・前田徹『中世後期播磨の国人と赤松氏』」(2022年)、「戦国大名論から戦国期守護論へ」(2023年)、「中世伊予における地域権力の構造と意思決定―河野氏の事例から―」(2023年)などの論考を発表した。いずれも、中世後期の守護や武家領主の存在形態と行動様式を探ったものであり、本科研とも密接に関連している。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)