Basic Research on Archaeological Activities in Elementary and Secondary Education: Toward the Construction of a History of Archaeology at School
Project/Area Number |
21K00979
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03050:Archaeology-related
|
Research Institution | The Paleological Association of Japan, Inc. |
Principal Investigator |
平田 健 公益財団法人古代学協会, その他部局等, 客員研究員 (60459998)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
|
Keywords | 学校考古学史 / 考古学・人類学模型標本 / 上野製作所標本部 / 井上式地歴標本 / 考古学会総会記念品 / 角田文衞 / 甲野勇 / 吉田白嶺 / 中・高等学校による発掘調査 / 井上式地歴標本製作所 / ドルメン教材研究所 / 日本考古学史 / 郷土・考古学クラブ活動 |
Outline of Research at the Start |
1900年代から現在に至る初等・中等教育における考古学的活動を再評価し、学校考古学史として日本考古学史に位置付けることを目的とする。再評価においては、郷土史、学校教育史、学校教材史など多角的な視点を導入する。学校考古学の社会的および学問的有効性を歴史的に証明することができ、現在の段階を客観視することが可能となる。これにより初等・中等教育での考古学的活動の将来的展望を指し示すことにもつながる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
1900年代から現在に至る初等・中等教育(主に中学校および高等学校)における考古学的活動を(1)ヒト(生徒、教師、研究者)、(2)コト(授業、クラブ活動)、(3)モノ(学校教材)の3つの視点で再評価し、日本考古学史に位置付けることを目的とする。2022年度は下記の調査研究を実施した。 (1)(公財)古代学協会に寄贈された角田文衞博士遺贈資料中、本研究で対象とする約2000枚の写真画像、基礎情報(撮影年月日など)のファイルメーカーへの入力が完了した。その成果は、『角田文衞博士遺贈資料目録 写真資料編』として2023年度に公刊予定である。 (2)初等・中等教育で角田文衞らの考古学的活動を指導した山内清男(奈良文化財研究所)と甲野勇(くにたち郷土文化館)旧蔵資料を通じ、具体的な活動を復元した。東京での考古学的活動史については「東京の初等・中等教育における考古学的活動史」(『考古学ジャーナル』№783、2023年6月)として公表予定である。 (3)天理大学附属天理参考館が所蔵する福田型銅鐸複製標本等の調査で、荒谷芳雄(上野製作所標本部)の戦後の活動や、梅原末治との関係を解明した。奈良女子大学では、旧制奈良女子高等師範学校旧蔵、上野製作所標本部考古学模型標本や、大正15年の考古学会第31総会記念品として配布された応神天皇陵側発見水鳥埴輪模造品を調査。水鳥埴輪模造品は彫刻家吉田白嶺の手による原型で、考古学会における芸術家の関与を示す新たな一例の発見となった。2023年1月に奈良市美術館で開催された「奈良を観る~奈良女子大学コレクション~」に調査成果の一部を提供している。愛媛大学では旧制愛媛県女子師範学校旧蔵『日本種族石器時代人民遺物標本』を調査。井上式地歴標本製作所が明治30年代に製作・販売していた考古学模型標本の新発見であり、博多人形師による考古遺物の複製精度の高さを確認することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、(1)ヒト:角田文衞の高等学校までの考古学的活動について、調査記録および写真から考究した目録の刊行。都立高校教員の松井新一の活動及び考古学教育に関する調査。(2)コト:東京都、静岡県、愛知県の考古学的活動に関する調査(図書館、学校施設など)。(3)モノ:考古学模型標本(大阪大学、高知県立歴史民俗資料館)、人類学模型標本(金光 図書館、福岡県立福岡中央高等学校)の調査、図鑑用写真撮影および編集。博多人形製作技法に関する調査(博多人形工房)。を計画した。 (1)角田文衞博士遺贈資料中、本研究に関わる写真が当初想定していた以上であり、角田文衞自身による写真解説など注記も綿密であったことから、入力作業に時間を要した。このため、本年度は入力作業と表の作成までに留め、刊行を2023年度に送ることとした。 (2)奈良文化財研究所やくにたち郷土文化館での文献調査で、東京や関東近郊の初等・中等教育における考古学的活動を復元。愛知県や静岡県に関しては、購入したガリ版刷報告書などで考古学的活動の把握に努めた。松井新一(都立国立高等学校)の考古学教育及び東京都の初等・中等教育における考古学的活動に関する論文発表に関しては、『考古学ジャーナル』に「学校における考古学的活動ーその歴史と学校所在資料の活用ー」という特集を組み、その成果を公表(念校、2023年6月刊行)。 (3)考古学模型標本については、新発見の旧制奈良女子高等師範学校の調査・研究に軸足を変更した。これは、購入履歴などを記載した「標本原簿」が現存する数少ない事例であったためであり、2023年1月の特別展で逸早くその成果を公表できると考えたためである。また、旧制愛媛女子師範学校旧蔵の『日本種族石器時代人民遺物標本』は、本年度関係者からもたらされた情報でり、廃棄される可能性が高かったことから調査、その価値を明らかにすることを優先した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、(1)ヒト:後藤守一、甲野勇、吉田格ら初等・中等教育における考古学的活動を支援した考古学者について、関与や支援方法の調査・研究。(2)コト:京都府、大阪府、広島県の考古学的活動に関する調査(図書館、学校施設など)。(3)モノ:『考古学・人類学模型標本図鑑』の編集。國立臺灣博物館所蔵の考古学・人類学模型標本の調査、目録作成。植民地下の地歴教育に関する文書調査(國史館臺灣文獻館、國家發展委員會。企画展示など公開方法の協議。としている。 (1)近年、(公財)古代学協会に寄贈された角田文衞筆「自由日記」6冊の調査を継続して行う。本日記は1930年から1935年の旧制成城高等学校から京都帝国大学時代までの日記であり、中等教育から高等教育での考古学的活動の詳細が復元できる。資料保護のためデジタル化した後に解読を行い、その成果を『角田文衞博士遺贈資料目録 写真資料編』の考察編にまとめる。 (2)2カ年の文献調査で、北海道での初等・中等教育における考古学的活動事例が多く散見されたことから、北海道内での文献調査を実施。京都府、広島県下についても府・県立図書館等での文献調査を予定している。 (3)今夏以降の調査に向けて、國立臺灣博物館など関係機関と交渉中である。また、日本国内で台湾原住民に関する人種模型標本が確認されたことから、調査を並行して進める予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(7 results)