Project/Area Number |
21K01228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05060:Civil law-related
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
田中 佑季 帝京大学, 法学部, 講師 (00772980)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | 子の出自を知る権利 / 子の利益 / 子の権利 / 養子法 / 韓国法 / 生殖補助医療 / 出自を知る権利 |
Outline of Research at the Start |
我が国において「子の出自を知る権利」は子の権利の保障や福祉の観点から十分な議論が必要な論点のひとつである。「子の出自を知る権利」については、生殖補助医療による親子関係などにおいて議論されることが多いが、「養子法」とも深く関わる場面が多く存在する。 本研究では、日本の状況を踏まえ、日本と類似した課題を有する韓国の「子の出自を知る権利」と「養子法」に関する状況を検討し、考察を加える。我が国における「子の出自を知る権利」をめぐる議論に対してひとつの示唆を与えることを目的とし、研究を進めていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本と類似した課題を有する韓国の「子の出自を知る権利」と「養子法」に関する状況を検討し、考察を加えることで、我が国における「子の出自を知る権利」をめぐる議論に対してひとつの示唆を与えることを目的としている。 上記の目的を達成するため、当該年度(令和5年度)は、前年度(令和4年度)までに調査・分析及び公表した研究成果を土台に、韓国での現地調査に向けた準備から取りかかり、調査を実施した。韓国での調査では、現地の専門家(判事、弁護士、研究者等)へのインタビュー及び専門家との意見交換、現地の関連機関(ソウル家庭法院、児童権利保障院)への訪問調査等を行う機会を得ることができた。実際に携わっている実務家との面談や意見交換、関連機関への訪問を通じて、韓国における「子の出自を知る権利」の保障をめぐる実状を把握するとともに、出自を知る権利のみならず、韓国における「子の利益」を保障するための様々な活動等について直接話を伺うことができ、非常に有意義な知見を得ることができた。現地調査を通じて、本研究のさらなる推進に向けた、大変有益な研究成果を得ることができたと考えている。 また、当該年度(令和5年度)においては、本研究課題とも関連するテーマ(韓国の養子法、「子の利益」と韓国の家庭委託制度)について、研究会で報告する機会を得た。報告準備及び報告での質疑応答等を通じて、多くの課題を認識することができ、また、新たな研究課題を把握することができた。さらに、海外における「子の出自を知る権利」についてのセミナーや様々な場面(特別養子縁組、離婚後の子の養育等)における「子の利益」に関わるシンポジウム等にも積極的に参加するようにし、専門家から知見を得ることにも努めた。研究活動を通じて、多角的な視点から「子の出自を知る権利」や「子の利益」を考察するにあたっての有意義な知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、韓国の「子の出自を知る権利」の現状を中心に検討及び考察を加え、日本の議論に対してひとつの示唆を与えることを主な目的としており、日本法及び韓国法の現状分析と考察が本研究の多くを占めることになる。前年度(令和4年度)までの研究においては、文献の調査・分析・考察を中心に行い、当該年度(令和5年度)は、前年度までの研究を土台に、韓国での現地調査を実施した。 本研究の補助事業が開始された令和3年度は、当初の予定よりも文献調査に大幅な時間を要し、また、新型コロナウイルス感染症の影響等もあり、想定よりも文献調査は困難を極めた。翌年度(令和4年度)には、令和3年度からの研究内容を研究成果(論文)として公表し、当該年度(令和5年度)に向けた研究の土台を築くことができたが、当初の計画からは「やや遅れている」状況となった。さらに、当初の計画では、韓国への現地調査は、前年度(令和4年度)に予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、同年度内の現地訪問調査は見送らざるを得なかったことから、研究時期としては、当初の計画から引き続き「やや遅れている」と判断せざるを得ない。本研究は、当該年度(令和5年度)が補助事業の最終年度であったが、研究時期については、以上の点から研究計画の見直しが必要となったため、補助事業期間の延長を申請し、承認された。 研究時期としては「やや遅れている」ものの、現地調査を当該年度(令和5年度)に実施することができたのは、本研究において大きな成果であると考えており、研究内容としては「おおむね順調に進展している」と考えている。次年度(令和6年度)は、当該年度(令和5年度)までの研究内容をもとに、可能な限り研究を推進することに努め、加えて、その先の研究も見据えながら、多角的な視点から、有意義な研究を展開していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度(令和5年度)までに行ってきた研究内容をもとに、さらなる研究の推進に努めるとともに、さらにその先を見据えた研究を展開できるよう、努力したいと考えている。補助事業期間延長の承認を受け、可能な限りの研究を展開していきたいと思う。 具体的に、次年度(令和6年度)においては、当該年度(令和5年度)に実施した韓国現地調査内容の整理及び分析を丁寧に実施し、考察を深めたいと考えている。現地調査では、専門家へのインタビューやソウル家庭法院及び児童権利保障院といった関連機関への訪問、そして実務家との意見交換等を通じて、様々な知見を得ることができ、また、韓国養子法に関する現在の議論及び法改正の現状等を把握することができた。韓国における「子の出自を知る権利」や「子の利益」、そして養子法等について考察を深める大変有益な機会になったと考えている。 次年度(令和6年度)は、これらの調査内容を分析した上で、研究成果として整理することから取りかかりたいと考えている。さらに、当該年度(令和5年度)は、韓国への現地調査の実施に向けた準備等に多くの時間を割いたこともあり、文献(資料)調査を十分に行うことができなかったため、次年度(令和6年度)は、現地調査内容とも関わる資料も踏まえて十分な調査に努め、日本法及び韓国法に関する考察を進めていきたい。可能であれば、当該年度(令和5年度)に引き続き、研究会等で報告機会を得たいとも考えている。次年度(令和6年度)は、補助事業期間延長を受けた最終年度であることから、十分な研究の推進に努めたい。
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