友情結婚にみる未婚化社会の友人関係と恋愛関係についての基礎研究
Project/Area Number |
21K01911
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08010:Sociology-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
久保田 裕之 日本大学, 文理学部, 教授 (40585808)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 友情結婚 / 性愛規範 / 恋愛 / 友情 / 家庭内離婚 / 親なり規範 / 契約結婚 / 偽装結婚 |
Outline of Research at the Start |
歴史的に、恋愛と結婚が結びつき、恋愛が結婚の基礎であるべきという考え方が浸透したのは近代化以降であり、日本では1960年代まで結婚の半数をお見合い結婚が占めていた。恋愛結婚の普及は、翻って、真正な恋愛を経なければ結婚すべきではないという事態を生じ、未婚化や少子化の遠因ともなっている。他方、欧州では事実婚の法的承認などにより結婚の機能独占が崩れることで、結婚と恋愛関係を包含する友人関係がますます重要になっている。そこで本研究は、明示的・意図的に恋愛関係や性愛関係を含まない結婚を指す「友情結婚」について、日本での質的調査を通じて、友情と恋愛を繋ぐ私的で親密な関係性の理論化を行うことを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2年目であった令和4年度は、研究計画において示した4つの研究内容のうち、3)事情により令和5年度に繰り延べた「友情結婚」当事者に対する聞き取り調査(前半部分)に向けた予備調査を終えたほか、4)共同生活における恋愛関係と友人関係についての理論構築にむけた文献の渉猟・整理を行った。 第一に、令和4年度に予定していた「友情結婚」当事者に対する聞き取り調査は、まず「友情結婚」当事者に対するアンケート調査を行うことで「友情結婚」当事者の全体像を把握し、聞き取り調査に同意してくれる対象者に調査を依頼するという手順を踏むことになっていた。しかし、当事者にアンケート調査の検討を依頼したところ、いくつかの重大な問題点が見つかったため、事業者と相談のうえで、アンケート調査項目見直しのための予備的な聞き取り調査(男性2名、女性2名)を行なった。このことに加えて、新型コロナウィルスの感染状況が思うように改善しないこともあり、対面で予定していた本調査自体は令和5年度に繰り延べられることになり、令和5年度頭に修正版のアンケート調査(本調査)を行い、その結果を受けて、当初予定していた聞き取り調査(本調査)を行うことに計画を変更した。 第二に、調査計画が慎重を期して一年後ろ倒しになったことを受けて、最終年度に予定している理論研究に向けた、大規模な文献の渉猟および整理を前倒しすることになった。具体的には、P・ブルデューを中心としたフランス社会学、J・デリダを中心としたフランス現代哲学、アナール派に始まる心性史研究から感情社会学分野の文献を収集し、恋愛関係と友人関係の理論構築に向けた概念の歴史的変遷について整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度に予定していた「友情結婚」当事者に対する聞き取り調査(前半部分)が延期になったことで、計画の主要部分が一年後ろ倒しになるものの、当初より聞き取り調査は令和4年度(前半)と令和6年度(後半)に分けて余裕をもって計画していたこともあり、延期の影響はそれほど大きくない。 加えて、最終年度に予定していた理論構築に向けた大規模な文献の渉猟・整理を令和4年度に着手できたことで、計画全体としては、おおむね順調に進展しているといえる。 なお、研究成果報告として、令和3年度に実施した、2)「友情結婚」事業者に対するヒアリング調査を基にした学術論文「友情結婚と性愛規範 : 日本における仲介事業者の調査から」を刊行し、3)「友情結婚」当事者に対するヒアリングの予備調査を基にした学会報告「性愛なき結婚からみる恋愛・親なり・社会的承認」を行ったほか、友情結婚に関連して性愛から切断された結婚制度の理論研究として論集『結婚の自由』に論考「性愛規範を超えて」を寄せている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、3)「友情結婚」当事者に対するアンケート調査および聞き取り調査(前半)を実施するほか、国際社会学会(ISA)および、日本社会学会で研究報告を行い情報収集をする予定である。 第一に、GW明けから、修正版の「友情結婚」当事者に対するアンケート調査(本調査)を実施し、それに基づいて、「友情結婚」当事者に対する聞き取り調査(本調査)を実施する。 第二に、7月にメルボルン(オーストラリア)で開催される国際社会学会(ISA)大会において、家族部会において本研究の聞き取り調査の成果を中心に日本の友情結婚に関する報告を行うほか、若者部会において世界の若者の保守化と権威主義化に関するセッションオーガナイズを行うことで、研究交流の場とする。 第三に、11月に立正大学で開催される日本社会学会大会おいて、本研究とも関連し、分担研究者を務める青少年の意識調査科研について、日本の若者の恋愛関係と友人関係に関する計量研究の報告を行い、その成果を著書にまとめる計画になっている。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)