数学の探求学習に伴う行動ログデータのマルチモーダルなアナリティクスから学習支援へ
Project/Area Number |
21K02752
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09070:Educational technology-related
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
金子 真隆 東邦大学, 薬学部, 教授 (90311000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北本 卓也 山口大学, 教育学部, 教授 (30241780)
江木 啓訓 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (30422504)
野田 健夫 東邦大学, 理学部, 教授 (90431618)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 動的幾何 / 協調学習 / HTML / 深度センサーつきカメラ / 対話テキスト / 操作ログ / 体動ログ / 数学探究学習 / 対話ログデータ / 操作ログデータ / ジェスチャーのログデータ / マルチモーダル・ラーニングアナリティクス / 数学探求学習 / 体動ログデータ / マルチモーダルアナリティクス |
Outline of Research at the Start |
本研究では,特に高等教育レベルの数学における探求学習をターゲットに,学習者が動的幾何システムCindyJSを利用した際の操作のログと,協調学習の場面で得られる対話・体動のログとを照合したマルチモーダルなアナリティクスを実施し,学習者の思考プロセスを分析すると同時に,その結果を学習支援に結びつけることを目指している.手指の動きを中心とした体動の時系列的な推移を深度つきセンサーを用いて3次元的な位置情報としてデータ化し,これを操作・対話に関する粒度の高いログデータと対照させる点が本研究の大きな特色である.
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Outline of Annual Research Achievements |
既報の通り、初年度においては、学習者が動的幾何コンテンツを用いて協調学習を行う際の学習状況を把握する上で、ジェスチャーのログデータを取得・活用するフローについて、intelのRealSenseを用いた計測システムを考案し、相関係数の1次変換不変性に関するHTMLをベースとした動的コンテンツによる教育実験に投入した。その結果、主に学習データの質的な分析から、操作・対話・ジェスチャーという異なるmodalityの間の遷移に着目して学習状況を推定できる可能性が示唆される一方、センサーデータをいかに取得・処理してジェスチャーの判定に結びつけるかという課題が生じた。本年度は、さらに多くの被験者を対象として同様の実験授業を実施し、この課題の解決を目指した。新型コロナ感染拡大の影響で、学習場面の設定に困難があったことに加え、得られる操作・音声・体動のログデータが膨大になり、その処理に相当の労力を要したが、現段階でようやくまとまった分析を開始できる状況に至っている。具体的には、協調学習の際のコンテンツの画面を数式表現のエリアと操作画面のエリアに分割し、これにワークシートの領域を併せ、学習者の手指が各領域に存在した時間帯をセンサーデータから判定し、これによって各時間帯における学習活動の種別を推定できる可能性が示唆されている。その一方で、実際に協調学習を行う場面では、メンバー間の役割分担に応じて課題用紙の位置が変更されたり、コンテンツのスクロールによって数式表現エリアと操作画面エリアが遷移したりする可能性があり、学習活動の推定を行えるだけの精度を得る上で、動的コンテンツと計測システム双方の設計にさらなる工夫が必要であることも判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点から、大学生を主たる対象とした実験授業の日程の確保に困難があった。また、協調学習を行わせる際、対象者に対してマスクの着用を依頼せざるをえず、音声データの精度や学習者間での十分なコミュニケーションが行われる環境の確保に困難があった。さらに、タブレットを用いた場合、接触感染のリスクがあることから、これまでに台数を揃えていたiPadを投入することが困難な面もあった。このため本年度は、感染状況がやや落ち着いた6月に2人1組のグループ12組を対象に実験授業を一括実施してなんとかデータを取得し、その後、感染が拡大した期間にあっては、実験データの分析に重点を置くという対応を取らざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、新型コロナウィルスの感染が落ち着いてくることが期待されるので、より大規模な実験授業の実施が可能になると考えている。本研究の性質上、操作・対話・ジェスチャーのログから得られる定量的なシグナルと、対話テキストなどに関する質的な分析結果との対照がどうしても必要となり、これに一定の裏付けを与えるためには、相応のデータ量を確保する必要がある。そのためにも、できるだけ早期に本格的な実験授業を実施したいと考えている。 また、これまでの実験授業から浮かび上がった課題である、コンテンツ内のアイテムの配置や課題用紙の位置の設定について、協調学習の進行にできるだけ支障をきたさない範囲で固定できるように工夫し、センサーデータからの学習行動の推定が自動化できるような方策も検討したい。 さらに、対話内容の分析に質的な裏付けを与える上で欠かせない対話音声のテキスト化の作業については、近年の技術的な進展が著しい機械学習をもとにしたシステムを活用し、より正確で手軽にデータを取得できる方法も追究したい。 加えて、独立性の検定をテーマとするHTMLベースのコンテンツを用いたシミュレーション学習を行わせた実験授業の結果からは、探索条件の設定を中心とする細かな授業設計を変更することで、得られる操作ログの傾向や、事後テストのパフォーマンスとの関連性が少なからず影響を受ける可能性が示唆されている。今後の実験授業を実施するにあたっては、上記の教材の設計のみならず、授業の進行などの設計についても注意を払いたいと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(20 results)