2~3歳児における教示行為とその動機に関する発達的研究
Project/Area Number |
21K03030
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
|
Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
瀬野 由衣 愛知県立大学, 教育福祉学部, 准教授 (10610610)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | 2、3歳児 / 教示行為 / 発達 / 観察 / 2ー3歳児 / 2~3歳児 / 動機 / 自我発達 |
Outline of Research at the Start |
従来、教示行為の発達研究においては、教示の動機は、「他者のために何かをしたいから」という利他性の存在を前提にした議論がなされてきた。本研究では、利他的動機による教示のみならず、「要請的教示」(「一緒に同じようにしたい」という子どもの思いが動機となって相手に教えようとすること)を含む多様な教示の在り方に着目し、2~3歳児の日常場面の教示行為の実態を解明する。具体的には、2歳児クラスの縦断的観察を通して、観察された教示行為が「いかなる目的(教示動機)で、何を(教示内容)、どのように教えるものであるか(教示方略)」を検討し、教示行為の発達モデルを自我発達と関連づけて拡張することを目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの教示行為の発達に関する先行研究では、教示を行う動機は、「他者のために何かをしたいから」という利他性の存在を前提にした議論がなされてきた。一方、自我発達に関する研究領域の成果を鑑みると、教示行為の動機には、必ずしも利他性によらない動機が含まれる可能性があり、発達プロセスにおいて、どのような教示動機が、いつ頃、優勢になるのかを検討することが必要である。本研究の目的は、これまでの研究で十分に焦点が当てられてこなかった2、3歳児を対象に日常生活場面での観察を行い、この年齢の教示行為の特徴を明らかにすることである。 2021年度は、愛知県内の託児所を利用している2歳児9名を対象に6ヶ月間、観察を実施した。今年度は、データの分析方針及び研究の枠組み(論文にする際の目的、結果をふまえた考察の展開等)を明示化するにあたり、先行研究の検討が必要と判断し、国内外の関連する研究を検討する作業を行なった。とりわけ、2、3歳児を対象にした教示行為に関わる研究論文、書籍等の抽出と検討、教示行為に関する研究全体を俯瞰した時の本研究の位置づけを確認した。並行して観察データの分析を進めている。当初は、「「要請的教示」(「一緒に同じようにしたい」という子どもの思いが動機となって相手に教えようとすること)に着目し、要請的教示が出現しやすいと想定される2、3歳児の日常場面の教示行為の実態を解明することに主眼を置いていたが、観察結果と文献検討を踏まえて、その位置づけの再検討が必要であることが示唆された。現時点では、そもそも2歳児の「教示」に類する行動が、「教示なのか、社会的同調(主張や指摘を含む)なのか」という点に着目し、「2歳児クラスの「教示行為」にみる文化伝達に関する一考察(教示の社会文化的規定性)」という点に着目した分析が必要であるという見解に至っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は、観察データの分析、先行研究の検討を進めてきた。今後の研究を進めていく指針となる枠組みは構築しつつあるが、これらの成果を論文等で公表する形で発表できていない。具体的な成果があがっていないという点で、「やや遅れている」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、観察データの分析をさらに進め、成果発表をしていきたいと考えている。具体的には、1)集団全体での2歳児クラスの教示行為の特徴、及び2)個人内変化、という点から、発達的な傾向を明らかにする。これと同時に可能な範囲でレビュー論文の作成にも着手していきたいと考えているため、研究期間を1年延長することも視野に入れている。「動機的側面に着目した教示行為の発達的プロセス」の全体像を明らかにすることを目指して進めていきたい。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)