COVID-19対応医療従事者の心理的特徴と有効な臨床心理学的支援
Project/Area Number |
21K03059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10030:Clinical psychology-related
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
矢崎 大 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (40807111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
毛利 伊吹 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (20365919)
酒井 由美子 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (50772399)
野藤 夏美 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (50807112)
舘野 由美子 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (80570449)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 新型コロナウイルス感染症 / 看護師 / 心的外傷後成長 / COVID-19 / 医療従事者 / メンタルヘルス |
Outline of Research at the Start |
本研究は、これまで申請者らが行ってきた医療従事者に対するメンタルヘルスケア面談の記録や、新たに実施予定のCOVID-19対応医療従事者を対象としたインタビュー調査の結果をもとに、COVID-19対応医療従事者の心理的特徴を明らかにし、臨床心理士による有効な心理支援の方法について提示することを目的とする。本研究で得られた知見は、COVID-19流行期のみならず、今後危惧される未知の感染症流行時における医療従事者のメンタルヘルスケアモデルの確立に繋がるものと考えている。
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Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)に対応した医療従事者は、感染のリスクだけでなく、周囲からの差別や偏見にもさらされ、感染対策に伴う業務負荷の増大、これまでおこなっていた通常業務が遂行できないジレンマ、一般的な基準よりも厳しい私生活での活動制限等を経験した。しかし、このような過酷な状況を経た経験が医療従事者の心理的成長を促進したという研究報告も得られている。 そこで、当研究チームでは、COVID-19流行期に総合病院で勤務していた看護師を対象に、心的外傷後成長とそれを促進する要因(ソーシャルサポート、スティグマ、道徳的気づき、コーピング等)の関連を検討する質問紙調査を実施した。244名から得られた回答をもとに重回帰分析を行った結果、同居人あり、スティグマ、道徳的傷つき、ソーシャルサポート、肯定的再開者の5つの変数が有意に心的外傷後成長を予測することが示された。心的外傷後成長のモデルでは、人が自身の世界観を揺るがされるような出来事を経験することから、そのプロセスが始まっている(宅,2021)。コロナ禍において、看護師が自身のスティグマを意識したり、道徳的傷つきを感じたりすることは、本人の自己感を危うくするような事態であり、これらが外傷後成長を予測するという今回の結果は、このモデルに沿うものと考えられる。また、このモデルでは、打ち砕かれた世界観等を徐々に見直していくことになると考えられているが、肯定的再解釈というコーピングはこれを促進する可能性があることが示された。 本研究結果について、2024年度の心理臨床学会で発表する手続きを進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題の当初の計画では、量的研究に続いて質的な研究を行う方針としていたが、質的研究については着手できていない。 質的研究については、2024年度に実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に実施した質問紙調査については、2024年度の心理臨床学会で発表するよう準備を進めている。 また、2024年度には新たに看護師を対象としたインタビュー調査を実施していく予定であり、COVID-19流行時に看護師がどのようなソーシャルサポートを得ていたか、それがどのような点でプラス(あるいはマイナス)に働いていたかを、個人の体験を通して具体的に掘り下げていく予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)