マラリア原虫メロゾイト形成期のターゲトーム解析による赤血球侵入・感染機構の解明
Project/Area Number |
21K06986
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49040:Parasitology-related
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
西 翔 三重大学, 医学系研究科, 助教 (50880051)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | マラリア原虫 / 遺伝子転写制御機構 / メロゾイト / ターゲトーム / 侵入・感染 |
Outline of Research at the Start |
マラリア原虫のメロゾイトは赤血球への侵入・感染を行う極めて重要な細胞ステージである。申請者はこれまでに、メロゾイト形成期に必須である3種のAP2ファミリー転写因子を発見した。そして、これらの転写因子の標的遺伝子解析から、マラリア原虫メロゾイト形成の分子基盤を理解するうえで非常に有力な情報が得られることを構想した。本研究の成果は、生物学基礎研究の発展のみならず、新たな薬剤・ワクチン標的候補遺伝子発見にもつながり、その波及効果は極めて大きいものとなる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度はメロゾイト形成期特異的な3種の転写因子AP2-Me、AP2-MmおよびAP2-Mlについてリコンビナントタンパク質を用いたDNA immunoprecipitation followed by high-throughput sequencing (DIP-seq)解析を行い、それらの転写因子の結合配列をin vitroで確認した。さらに、レポーターやChromatin immunoprecipitation followed by quantitative PCR (ChIP-qPCR)により、それら結合配列のcisエレメントとしての機能を明らかにした。マラリア原虫は、寄生という性質により、非常に少ない配列特異的転写因子(およそ30種のAP2ファミリー転写因子(AP2-TF))のみで生育を可能とした生物である。我々はこれまでに、いくつかのAP2-TFについて、それらがある細胞ステージで特異的に発現し、そのステージで必要な遺伝子を包括的に制御していることを証明してきた。この成果は、マラリア原虫においてAP2-TFを研究することは、原虫の遺伝子制御機構を解明する最適な手段であることを示唆している。メロゾイト形成期特異的な3種のAP2-TF(AP2-Me、AP2-Mm、AP2-Ml)は、短い時間の中で経時的に発現しており、これらがメロゾイトに必要な遺伝子の全体を制御すると考えられる。本研究を通して我々は、これら3種のAP2-TFの結合配列およぎ標的遺伝子を明らかにし、マラリア原虫の赤血球侵入ステージであるメロゾイトの形成機序を転写制御レベルで理解することに至った。本研究で得られた情報は、メロゾイトの侵入機構解明や新たなワクチン標的候補分子の同定に役立つことが期待される。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)