V180I遺伝性クロイツフェルト・ヤコブ病の発症と病態進展に関わる因子の解明
Project/Area Number |
21K07447
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
|
Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
岩崎 靖 愛知医科大学, 加齢医科学研究所, 教授 (60378172)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | プリオン病 / 遺伝性クロイツフェルト・ヤコブ病 / V180I / 経管栄養 / 呼吸不全 / クロイツフェルト・ヤコブ病 / 自然経過 / 生存期間 / 周期性同期性放電 / ミオクローヌス |
Outline of Research at the Start |
本邦の遺伝性プリオン病の中で最も頻度の多い、プリオン蛋白(PrP)遺伝子V180I変異を伴う遺伝性クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)の病態解明を本研究の目的とする。CJDとしては非典型的な臨床所見、病理所見を呈するV180I遺伝性CJDの臨床像および病理像を分子遺伝学的な解析結果も加えて多数例で網羅的に解析することで、プリオン病の発症機序と病態進展機序の解明に加えて、プリオン病の治療法開発および発症予防法の手掛かりを得ることが期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
プリオン蛋白(PrP)遺伝子コドン180にバリンからイソロイシンへの点変異を伴うV180I遺伝性クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は本邦の遺伝性CJDとしては最も多いタイプであるが、欧米ではほとんど認められない。高齢発症で長期経過を呈する事、浸透率が低いことが知られている。そこで、V180I遺伝性CJDの発症と病態進展に関わる因子について検討した。 当研究所において病理学的検索を行ったV180I遺伝性CJD(definite例)の19例を対象とした。臨床記録を後方視的に解析し、性別、PrP遺伝子コドン129多型、発症年齢、経管栄養の有無について統計学的に検討した。また、死因と全経過との関連についても検討した。MM1型孤発性CJD(definite例)51例を対象とした我々の以前の検討結果とも比較した。 性別は男性3例、女性16例、発症年齢は平均78.8±5.5歳(69〜90歳)だった。全経過は平均46.3±38.6ヵ月(6ヵ〜122ヵ月)で、コドン129多型はMet/Met例が15例、Met/Val例が4例だった。Met/Val例では、いずれもV180I変異とVal多型は異なるアリルに存在していた。経管栄養が施行されたのは11例(うち胃瘻造設3例)、施行されなかったのは8例だった。死因は、経管栄養や持続点滴が施行されず衰弱死した例が5例、肺炎が7例、肺炎や感染症などではない中枢性の呼吸不全が7例だった。V180I遺伝性CJDはMM1型孤発性CJDと比べて、有意に高齢発症であるにもかかわらず、有意に長期生存していた。経管栄養を施行した例の方が、施行しなかった例よりも、有意に長期生存していた。長期生存例では、中枢性の呼吸不全で死亡する例が目立った。経管栄養など積極的な延命治療を行ってもV180I遺伝性CJDの生存期間には限界があることが示唆された。
|
Report
(3 results)
Research Products
(10 results)