Project/Area Number |
21K07840
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52050:Embryonic medicine and pediatrics-related
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
澤井 俊宏 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (90452234)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | C3腎症 / 補体制御異常症 / 補体介在性疾患 / C3腎炎因子 / 抗H因子抗体 / 抗B因子抗体 / 補体介在性腎疾患 / 補体 / 慢性糸球体腎炎 |
Outline of Research at the Start |
本研究は,補体系の制御異常が発症に関与するC3腎症の症例を対象に,補体因子の測定で算出したC3分解活性[C3分子全体に対するC3分解産物C3dの比]を用いて,腎生検組織での急性病変の程度や尿蛋白量,血清でのC3濃度,CH50の推移との比較,治療経過と相互に参照することで,病勢を反映する指標としての有用性を明らかにすることを目標とする。 症例ごとのC3腎症発症要因を同定し,代替経路補体価や補体因子プロファイルを測定することで,C3腎症の病勢を適切に反映し,治療選択や予後予測に利用できる指標を新たに確立する。この研究によって,C3腎症の治療を最適化し患者負担の軽減と,腎予後の改善に寄与できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
小児のC3腎症を対象とし、治療前の血液検体と腎生検組織画像を収集した。臨床経過の収集も継続している。C3腎症の原因とされるC3腎炎因子及び抗H因子抗体が測定できる唯一の研究室として、国内全域から診断・治療の相談に対応した。 C3腎症は、遺伝子異常を背景として発症する症例は20%程度にとどまり、多くはC3転換酵素の働きを延長するような自己抗体で発症することが明らかになりつ つある。具体的には、C3bBbに対する自己抗体や、B因子に対する抗体などが考えられる。これまでC3転換酵素であるC3bBbに対する自己抗体及び抗H因子抗体を測定して病因を探索してきたが、新たに抗B因子抗体の測定系を確立し、解析手法に加えた。本測定系は、精製補体B因子を固相化し、希釈した患者血清を反応させてB因子に結合したIgG抗体を検出するものである。現在はIgG抗体を検出しているが、今後、IgM抗体や、IgG1-G4のサブクラスの検出にも対象を拡げる予定である。 抗B因子抗体は、C3腎症と臨床経過が極めて類似している感染関連腎炎を鑑別するために有意義であるという先行研究があるが、国内で測定可能な研究室は限られていた。申請者は新たにELISAでの測定方法を開発し、健常成人ボランティアの血清を用いて正常値を作成し、腎炎を発症した患者での測定に有用であるとの予備研究データを得た。 今後、抗B因子抗体の時間的な推移と臨床経過を参照し、病態解明の基礎となることが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
症例の集積は終了し、臨床経過と腎組織所見の対比を進めている。あわせて、C3腎炎因子と抗H因子抗体の時間的な経過を症例ごとに検討した。今年度に新たに解析可能となった抗B因子抗体を解析に加え、より多角的に補体の過剰活性化のメカニズムに迫れると考えている。
抗B因子抗体測定系の確立と正常値作成、代表的なケースシリーズを国際小児腎臓病学会、国際補体ワークショップにて報告予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
症例経過と病理組織所見を参照し、免疫抑制薬の種類・期間が自己抗体の推移にどのように影響を与えたかを明らかにして、将来の治療ガイドライン作成に生かせるような知見を得る。
新規の抗補体薬(B因子阻害薬など)を使用した症例の検体を用いて、補体過剰活性化とその制御を従来のステロイド薬を中心とした治療症例と比較し、疾患の発症メカニズムを明らかにする。
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