Project/Area Number |
21K07968
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University (2022) Osaka City University (2021) |
Principal Investigator |
松原 三佐子 (佐藤三佐子) 大阪公立大学, 大学院獣医学研究科, 准教授 (00635120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 勤 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (20628698)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 肝星細胞 / 肝細胞 / 線維化 / 肝発がん / サイトグロビン / 細胞間相互作用 / ミトコンドリア呼吸鎖 / DNA損傷 |
Outline of Research at the Start |
肝硬変は、慢性的炎症による持続的な肝星細胞 (HSC) の活性化を主因し、結合組織 沈着を伴った肝機能障害を特徴とする。肝線維化は、HSC活性化が可逆的にも関わらず、病因が排除されても病態が進行する事が問題となっている。本研究では、HSC活性化が持続的かつ不可逆的になるHSC活性化スイッチ機構が存在し、それが肝硬変の難治性に繋がっていると考え、①HSCの不可逆的な活性化に関わるDNA損傷部位の同定、②不可逆的な活性化におけるDNA修復酵素PARP1の意義などHSC活性化スイッチ機構の解明、③肝機能における活性化HSCの影響を検証しながら、肝硬変の分子病態を理解するために本申請課題を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
肝がん誘発モデルにおいてサイトグロビン(Cytoglobin、CYGB) 欠損マウスでは野生型に比べ易発がん性である。私はこれまで、肝星細胞(Hepatic Stellate cells,HSC)におけるCYGBの発現調節機構を詳細に解析すると同時に、HSC活性化が持続的かつ不可逆的になるHSC活性化スイッチ機構が存在し、それが肝硬変の難治性および肝発がんに繋がっていると考えて研究を行ってきた。2022年度、CYGB欠損マウスを用いてHSCが隣接する肝細胞に与える影響を調べた。その結果、CYGB 欠損HSCは、野生型HSCに比べ、膜透過性ガス代謝物である一酸化窒素を過剰産生することがわかった。さらに、CYGB KOの肝細胞では、ミトコンドリア呼吸鎖‐電子伝達系に関わるシトクロムCオキシダーゼが可逆的に阻害されていることが示された。CYGB KO肝細胞のミトコンドリアから精製されたシトクロムCオキシダーゼ画分には一酸化窒素が大量に含まれており、これにより一酸化窒素がシトクロムCオキシダーゼに結合することが示された。また、オキシヘモグロビンの添加により、一酸化窒素結合によるシトクロムCオキシダーゼ活性の阻害が消失することが判明した。したがって、本研究では、CYGB欠損マウスにおけるミトコンドリア呼吸鎖‐電子伝達系における呼吸機能の慢性的な減弱が、過剰な活性酵素種の形成を促し、肝障害を引き起こすことを示した。この研究の結果は、HSCのCYGB欠乏が隣接する肝細胞に直接影響を及ぼし、肝細胞障害を誘発することを示し、国際雑誌Antioxid. Redox Signal.で報告した(Antioxid. Redox Signal. 38, 463-479.2022)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の目的通り(a)Cygb欠損マウスの肝臓よりミトコンドリアを採取・精製し、ミトコンドリアの呼吸鎖に関連する酵素活性を測定した。さらに、(b)肝細胞とHSCの共培養実験を行い、HSC-Cygb欠損による肝細胞への影響を調べた (c)DNA損傷関連因子であるPARP1に着目し、TGF-β処理後H2O2に暴露されたHSC細胞(CYGB低発現)のDNAを採取し、ChIP- Sequecing用のDNAのSonicationおよびLibrary作製を行った。(a,b)に関しては論文および国内外の国際学会で報告し当初の計画以上に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、DNA損傷関連因子であるPARP1に着目し、TGF-β処理後H2O2に暴露されたHSC細胞(CYGB低発現)のDNAを採取したChIP- Sequecingの結果を基に統計学的解析を行う予定である。
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