女性においてアンドロゲンが栄養代謝機能に及ぼす影響とその機序に関する検討
Project/Area Number |
21K09518
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岩佐 武 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (00707903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河北 貴子 徳島大学, 病院, 講師 (00724121)
山本 由理 徳島大学, 病院, 講師 (90622879)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | PCOS / オキシトシン / アンドロゲン / エストロゲン |
Outline of Research at the Start |
女性においてエストロゲンは栄養代謝機能に良好な作用を及ぼす。一方、アンドロゲンが栄養代謝機能に及ぼす影響については明らかにされていない。本研究では実験動物を用いて、アンドロゲンが栄養代謝機能および食事の好みに及ぼす影響とその機序について検討する。また、アンドロゲンが悪影響を及ぼすことが明らかとなれば、それを予防する方法について検討する。本研究の結果は女性の健康増進を図る上で有用な情報になり得ると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
女性においてアンドロゲンが栄養代謝状態に悪影響を及ぼすことが知られている。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は生殖年代の女性の5~10%に認められ、高アンドロゲンによって栄養代謝疾患や性機能障害のリスクが高まることが知られている。我々は、アンドロゲンを慢性投与することで、実際の表現型に近いPCOSモデル動物を作製することに成功しており、現在このモデルを用いて検討を進めている。本年度に得られた結果は以下のとおりである。 1.アンドロゲンの栄養代謝に及ぼす作用はエストロゲン環境により変化するとの先行研究の結果から、PCOSモデル動物において、卵巣の有無が表現型に影響を及ぼすか検討した。その結果、卵巣を摘出していないモデルでは、これまで通りPCOSに類似した栄養代謝障害が確認されたのに対して、卵巣を摘出したモデルではこれらの変化が認められなかった。また、卵巣の有無により、アンドロゲンが行動面に及ぼす影響にも変化が生じる可能性が示唆された。 2.PCOSでは減量によって栄養代謝障害ならびに生殖機能障害が改善することが知られている。一方、実際に減量することは困難なことが多く、安全かつ有効な介入法が切望されている。近年、オキシトシンが摂食抑制・肥満抑制作用を持つこと、漢方薬である加味帰脾湯が内因性のオキシトシンを高めることが報告されている。そこで、PCOSモデル動物に対しる加味帰脾湯の減量効果について検討した。その結果、加味帰脾湯の投与により摂食量が低下することが明らかとなった。 これらの結果は、PCOSの病態解明ならびに介入方法を検討する上で大きな知見になり得ると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた、アンドロゲンによる栄養代謝障害の発症機序の解明については順調に検討がすすんでおり、エストロゲン環境が大きく関わることを明らかにすることができた。その中で、行動面の変化も影響する可能性が示唆されたため、これについては今後引き続き検討を行う予定である。また、アンドロゲンによる栄養代謝障害への介入方法についても取り組みを開始している。新規方法を提唱した他、今後は摂食条件を工夫することで改善が可能か否かを検討する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
高アンドロゲンが栄養代謝機能に及ぼす影響とその機序の解明については概ね検討が終了している。これにより、明期・暗期での自発行動や摂食量が栄養代謝機能の悪化に関わる可能性が示唆された。今後はこのような日内変動に着目して、いずれの時期での行動が肥満などの発症に関わるのかを解明し、それらの結果をもとにより効果的な介入方法を検討する。 また、別の検討から外因性のオキシトシンが肥満に対して効果的に作用することを明らかにした。一方、オキシトシンを投与することについてはまだ時期尚早であり、内因性のオキシトシンを高める方法が望まれる。この点について、その効果を有するとされる加味帰脾湯について検討を進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)