感染制御と骨再生を同時に可能とするハイブリッド型骨補填材による顎骨骨髄炎治療戦略
Project/Area Number |
21K10095
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高丸 菜都美 徳島大学, 病院, 講師 (40513031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 直志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (10804156)
宮本 洋二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (20200214)
秋田 和也 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (70876028)
石川 邦夫 九州大学, 歯学研究院, 教授 (90202952)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 炭酸アパタイト / 多孔体 / 顎骨骨髄炎 / 再生 |
Outline of Research at the Start |
顎骨骨髄炎は骨硬化により局所の薬物濃度を十分上げられず、薬物療法のみでの完治は難しく外科的に骨切除を行うことが多い。さらに骨切除を行ったにもかかわらず後に再燃する難治例も多い。申請者らは優れた骨伝導性と骨置換性を有し、迅速な骨新生を可能とする炭酸アパタイト多孔体(P-CAp)を既に開発しており、本研究では、このP-CApに薬物徐放性を付与し、難治性顎骨骨髄炎治療への応用を目指す。すなわち、P-CApに骨髄炎の原因菌に対する抗菌薬を含有させることで、①抗菌薬を局所に徐放しつつ、②治療で失った顎骨のすみやかな再建を可能としたハイブリッド型バイオマテリアルを開発し、その有用性を動物実験で検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
顎骨骨髄炎は骨硬化により局所の薬物濃度を十分上げられないため、薬物療法のみでの完治は難しく外科的に骨切除を行うことが多い。さらに骨切除を行ったにもかかわらず、後に再燃する難治例も多い。研究代表者らは、優れた骨伝導性と骨置換性を有し、迅速な骨新生を可能とする炭酸アパタイト多孔体(P-CAp)を既に開発しており、本研究では、このP-CApに薬物徐放性を付与することで、難治性顎骨骨髄炎治療への応用を目指す。すなわち、P-CApに骨髄炎の原因菌に対する抗菌薬を含有させることで、①抗菌薬を局所に徐放しつつ、②治療で失った顎骨のすみやかな再建を可能としたハイブリッド型バイオマテリアルを開発し、その有用性に関して顎骨骨髄炎動物実験モデルで検証する。 研究代表者らは炭酸アパタイト(CAp)の骨置換性を向上させるために、2種類の方法で多孔化することにも成功している。一つは、前駆体であるCaSO4の中にナイロンファイバーを混入して硬化させ、ナイロン繊維を焼却することで気孔を付与した前駆体を作製し、これをCApへ変換する方法である。もう一つは、CaSO4やCa(OH)2をバインダーと練和し、押出成形機を用いて一方向性連通気孔を有する前駆体を作製し、これをCApに変換する方法である。しかし、前者は多孔体の気孔の分布が不均一であり、後者はCOVI-19 の影響で出張が困難で作成しに行くことが困難となり、他の手法で作製するCAp多孔体(P-CAp)が必要となった。そこで、ポリウレタンフォームを用いP-CApを新たな手法で作製することとした。前駆体であるCaSO4のとポリウレタンフォームを混和して硬化させ、ポリウレタンフォームを焼却することで気孔を付与した前駆体を作製し、これをCApへ変換する方法である。この手法で作成したP-CApがどのポリウレタンフォームを使用するのが最適なのかを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
炭酸アパタイト多孔体の作製の手法を、当初はファイバーを用いた方法や、押出形成機を用いて作製する既存の方法を使用する予定であった。しかし、前者の場合、ファイバーが均等に配置されないため、作製したディスク個体にばらつきが生じたため、今回の研究で用いるのには不適と判断した。また、押出形成機での作製は九州大学で行うようになるが、コロナ禍で他大学への出張がなかなか厳しい状況であった。そのため、新たな手法を確立するところから研究を開始することとなり、研究を進めているため、予定の研究計画より遅れをとっている。
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Strategy for Future Research Activity |
使用するP-CApの準備がようやく整ったので、以降は抗菌薬含有P-CApの調製を以下の手法で調製する。 ①抗菌薬浸透法:a) P-CApの抗菌薬溶解液への浸漬法、b) 減圧法、c) 遠心浸透法の3実験を行い、重量法による抗菌薬含浸量を計測し高容量の抗菌薬を含有する手法を採用する。抗菌薬徐放濃度については、経時的蛍光偏光イムノアッセイ法により測定を行う。 ②抗菌薬混合高分子の調製およびP-CApへの封入:P-CApの気孔内へ抗菌薬を徐放する高分子を封入する。使用する高分子として、生体為害性がなく臨床応用されているアテロコラーゲン、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)を候補とする。それらと抗菌薬を配合しP-CAp気孔内部へ注入する。 注入方法は、減圧法、遠心法を用いる。作製された抗菌薬含有P-CApについて走査型電子顕微鏡による微細構造の観察を行い、①と同様に抗菌薬徐放試験を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)