エスノメソドロジー手法を用いたジャズ即興音楽演奏知識の記述と計算可能モデリング
Project/Area Number |
21K12087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 61060:Kansei informatics-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
安藤 大地 東京都立大学, 学術情報基盤センター, 准教授 (20552285)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | ジャズ / 即興演奏 / 音楽認知科学 / 音楽教育 / 即興演奏の認知 / ギター / 計算可能性 |
Outline of Research at the Start |
AIが作曲や演奏をすることができるようになりつつあるが,人工知能の音楽の捉え方と人間の音楽の捉え方に大きな差があるため,人間と人工知能の間に音楽的なコミュニケーションが成り立たず,特に楽譜を持たない即興演奏の時に大きな問題となる.
そこで本研究では,音楽分野での人間と人工知能の協働を目的として,ジャズギターの即興演奏やその習得過程について,演奏者本人への聞き取り調査と,実際の演奏データの分析とモデル化の2つの観点から調査を行う. 人間がジャズギター演奏をどのように捉えているかを,実際の演奏データと結びつけ,計算可能モデルを構築することで,AIも人間と同じ音楽認知の元に演奏できるようになる.
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、ジャズギター学習被験者3名の学習の過程をレッスンの録音から分析している。被験者のうち1名は心身の不良により、東京都立大学研究倫理規定に基づきレッスンを停止中である。 残り2名に関しては、曲のテーマ(主旋律)に対して、ピッチを決める左手の指の運動の身体知を用いたハーモニー付けをするという訓練を行ってから、コード進行に対する理解が進み、アドリブソロでもコード感を出せるようになっているようになりつつある。 特にピアノを長く演奏していた被験者1名は、学修開始当初の「頭の中で階名を歌うことによる音高の認知と旋律の生成」から、左手の指運動の身体知により容易にコードを押さえられるようになっており、アドリブソロの中にも和音が多く登場するようになっている。 またロックギターを長く演奏していた被験者1名は、ロック演奏では考えなくても演奏できる複雑なコードの構成音の根音からの度数を指で考えることができるようになり、曲のテーマにハーモナイズを行う訓練を好むようになった。一方アドリブソロではコード構成音を容易に演奏に取り込むことはできていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アドリブを含むジャズギターの学習過程を明らかにする研究であるので、被験者の学習に時間がかかることは、最初から想定していた。現在レッスンを行っている被験者2名も順調にスキルが向上しており、ある程度数理モデル化できそうな分析結果が出ている。 また、この2年間で、被験者の分析と同時に、被験者を指導しているプロ演奏家の演奏データの収集も行っている。この演奏データは音響ではなく「指板のどの弦のどのフレットを押さえたか」のデータであり、数理モデル化のための分析に入ることができる。 2023年度は3年目であり、学習を行っている被験者の中間点での演奏データも採取しながら、数理モデル化を進めることができるようになっており、5か年計画の中間として順調に進展していると判断することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
ジャズギターの学習を行っている被験者のレッスン録音の分析はこれまで通り5年間継続する。それと同時に分析可能な演奏データ化も進める。 分析に関しては、左手の指の運動の身体知が演奏に大きく関与していることが分かった。そこで、左手ポジションとその中で実際に演奏される音高を、ギターの単音演奏分析において先行研究で実績がある隠れマルコフモデルでモデリングする。先行研究とは異なり、和音をデータとして用いるため、隠れマルコフモデルとの親和性は強いと、研究者予想している。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)