血液凝固機能を阻害する非天然型DNAアプタマー薬剤の構造とヌクレアーゼ耐性機構
Project/Area Number |
21K12123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 62010:Life, health and medical informatics-related
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
渡辺 信一 電気通信大学, 国際教育センター, 特任教授 (60210902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧 真清 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (70362952)
山越 智健 電気通信大学, レーザー新世代研究センター, 研究員 (30801245)
宮下 尚之 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (20452162)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | DNA aptamer / TBA/thrombin / DNA・コバレント・アプタマーTBDcA / 非天然型DNAアプタマー / TBA / G-quadruplex |
Outline of Research at the Start |
DNAアプタマーはタンパク質などの標的分子に特異的に結合するDNA断片で、SELEX法で人工的に進化させて、その特性を著しく強化できる。創薬の観点から重要である。通常自然に存在する4つのヌクレオチドで構成さるが、反応特性のバリエーションを増やしたり体内での分解に対する耐性を強化したりする目的で非天然型の検討は有用である。具体的には、トロンビンに特異的に結合して血液凝固機能を阻害する非天然型DNAアプタマーを理論的に考察する。天然型のTBAを例題として、各々の核酸を非天然型アノマーで置き換える計32767通りの配列の中から、構造安定性、ヌクレアーゼ耐性、特異的結合能の3点において最適な解を探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、血液凝固機能を阻害するDNAアプタマーのTBAをもとにヌクレアーゼ耐性を調べ、耐性の強化を図ることが目的である。一方、昨年度瀧がTBAにwarheadを付けthrombinと共有結合するDNA・コバレント・アプタマー(TBDcA)を実験的に作製し、その各種ヌクレアーゼ耐性機構を検討し、有意な結果を得ている。これは目的とするTBA/thrombinの組み合わせの分子系において血液凝固機能が予定通りに阻害されること、そしてその耐性の強化が可能であることを示しており、査読付き原著論文発表を行った。具体的には、各種exonuclease, endonuclease, およびヒト血清存在下でのTBDcAの加水分解耐性試験等を行った結果、いずれの場合においても標的への共有結合後に分解耐性を獲得していた。特に40%ヒト血清存在下で、37℃/24時間のインキュベート後においても分解されずに残ることを見出した。宮下はこのDNA・コバレント・アプタマーにおける共有結合部(warhead)の化学構造や長さなどがどのように結合部位や結合力の特性に影響を与えるかを数値計算により理論的に明らかにする研究を開始した。また、渡辺はアノマー型TBAの安定性のMD計算を試みているが、synとantiの配置の区別が実験的になされていないため実験に対応する初期条件を確定できない困難に直面している。しかし、TBAの融点について理論と実験を比較することは物性研究的視点から意義があるので、継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的に当初のTBA/thrombinに関する研究を遂行しており、実験面では本来の目的であるアノマー化によるTBAの核酸耐性の強化を中分子型コバレントバインダーによる強化へと変更し、当初の想定よりも有為な知見を得、原著論文発表に至っている。そして計算によって実験の理論的理解を深めていることから上記区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
中分子型コバレントバインダーの実験的成果を受けて引き続き、非天然核酸型TBDcA薬剤のコンビナトリアルスクリーニング法を行うための実験対象系の立ち上げを行うと共に、適宜並行して、合理的設計法を用いてthrombin以外の蛋白質を標的として特異的に共有結合するアプタマーを取得する。理論計算は実験的に検証しがたい部分についてのデータを生成できることから、実験と平行して実施する。そのため近畿大学の宮下はTBAを用いた共有結合型アプタマーの力場作成を行い、そのシミュレーションを実施する。また、AIを用いたモーフィングを用いてTBAのフォールディング過程についても調べ、その特性についても調べる。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)