セシウムフリー鉱化法による汚染土壌への光触媒活性付与の研究
Project/Area Number |
21K12299
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64020:Environmental load reduction and remediation-related
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
下山 巌 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究主幹 (10425572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 剛 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究職 (80772342)
馬場 祐治 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 嘱託 (90360403)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 光触媒 / 熱処理 / 黒雲母 / 再生利用 / セシウム / 六価クロム / サリチル酸 / 土壌除染 / 粘土鉱物 / 汚染土壌 |
Outline of Research at the Start |
福島における放射性汚染土壌の除染法の確立と再生利用法の開拓のため、土壌中の粘土鉱物からセシウムを除去すると共に光触媒機能を持つような混合アニオン化合物に変換するための手法を開発する。反応剤の種類、温度、雰囲気などの因子を制御した熱処理を行い、得られた生成物の組成・構造変化と可視-紫外光照射時のCr(Ⅵ)還元の光触媒特性との相関関係に関する系統的データを取得する。特に塩化物、硫化物、硝酸塩試薬を反応剤として用いた場合の生成物の光触媒特性を比較することで「土を光触媒に変える」条件を探索する。その結果に基づき、汚染土壌を様々な場面における環境修復材料として活用する新たな再生利用法を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
福島第一原発事故で発生した大量の除去土壌の管理は大きな社会問題となっている。福島の土壌は放射性Csを強固に固定する粘土鉱物を豊富に含むため、その除染が困難であり、特に高放射能濃度画分の除去土壌については再生利用法が定まっていないことも相まって負の遺産として残される可能性が高い。そこで我々は、セシウムフリー鉱化法により粘土鉱物を光触媒に変換して、汚染物質の除去に用いる新たな再生利用について検討を行った。強いCs吸着特性を持つ福島の黒雲母に対しCsを吸着させ、CaCl2を添加し大気中で熱処理を行った後に余剰の塩を水洗浄により除去した。600℃で熱処理を行った試料では黒雲母の結晶構造が保たれていたが、700℃以上で熱処理を行った試料では黒雲母が分解して主にワダライトが形成されたことがX線回折により確認された。それと共にCs含有量は蛍光X線分析により検出限界以下まで減少したことが確かめられた。得られた生成物のCr(VI)還元とサリチル酸分解に関する光触媒活性を調べるため、水洗浄後の粉末試料をCr(VI)とサリチル酸混合水溶液中に懸濁させ、撹拌しながらUV-C光源を照射し、水溶液中のCr(VI)とサリチル酸の濃度変化を調べた。熱処理前の黒雲母の懸濁液に照射した場合、粉末を加えない場合と似た濃度変化を示し、活性がほとんどないことが示された。一方、熱処理を行った試料では黒雲母添加時よりも時間毎の濃度減少が大きく、明瞭な活性を示した。粉末試料の比表面積で標準化を行った光触媒活性は処理温度と共に増大し、この結果はワダライトへの相変化が光触媒活性向上の原因の一つであることを示唆している。また興味深いことに、相変化を生じない温度範囲でも熱処理後の試料はわずかに光触媒活性を示した。この結果は黒雲母に光触媒活性が付与されたことを示しており、熱処理による電子構造の変化が原因であることを示唆している。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)