Project/Area Number |
21K12339
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 64050:Sound material-cycle social systems-related
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
V. Narumol 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (30728803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪八重 拓郎 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (00448440)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 水循環 / 持続的水資源管理 / 佐賀平野 / 白石地区 / 水利用特性 / 取水制限 / 地下水 / 地下水利用特性 / 地下水揚水量 / 土地利用予測 / 流域水循環 / 渇水被害 / 3D可視化 / 可視化 |
Outline of Research at the Start |
近年、気候変動に伴う洪水災害のリスクが懸念されているものの、降雨量の減少による渇水災害のリスクも年々増加している。流域の水循環の鍵である地表水と地下水のバランスは、気候変動の影響によって変動し、不安定な状態にある。降雨量に左右される河川流量と地下水の採取量に左右される地下水位に加えて、気候に左右されない下水の再生利用ポテンシャルを活用することで渇水時の被害を緩和することが期待できる。本研究は、嘉瀬川流域と白石地区を含む佐賀平野をケーススタディとし、嘉瀬川ダムの供給及び佐賀平野の利用可能な地下水資源と下水再生水に着目し、流域水循環の変動特性を活用した持続可能な水資源管理システムの構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
国土審議会水資源開発分科会調査企画部会の「リスク管理型の水資源政策の深化・加速化について」の提言(令和5年10月)において、気候変動の影響や人口減少、産業構造の変化等に伴い水需要の変化等を早急に対応するために既存ダム等の有効活用、自流や地下水等を含めた供給能力の確保等の必要性が挙げられた。本研究は、利用可能な水資源として地下水やダム貯水容量等を有効活用した渇水被害に強い持続的水資源管理システムを提案することを目指している。 2023年度において、水循環の変動特性を解明するために佐賀平野西部に位置している白石地区の水利用特性及び農業用水の供給源である嘉瀬川ダムの渇水問題の分析を行い、研究代表者のその他の業務の多忙等のため、佐賀平野における水需要の将来予測及び可視化、数式モデルによる解析や渇水被害のリスクアセスメント等は2024年度に実施することとなった。 ・佐賀平野(佐賀県白石地区)における水循環の変動特性の解明(担当:研究代表者) 嘉瀬川ダムでは、2017年以降5回の取水制限が行われ、取水制限が行われた年と行なわなかった年のダム貯水量と雨量を比較し、嘉瀬川ダムの渇水は前年の11月~5月(非灌漑期)とその年の6月~10月(灌漑期)の雨量に左右されることが確認された。ダムの建設計画及び建設着手期間である1970年代と供用期間2012年~2022年の雨量の比較から非灌漑期の雨量の長期的減少が渇水発生原因の一つと考えられる。 取水制限が行われた期間の白石地区の地下水位、雨量、地下水採取量及び嘉瀬川の取水量の分析から、取水制限の下では地下水位が急激に低下し、地下水による農業用水の供給が見受けられる。水収支モデルを用いて地下水位の挙動を考察する際、嘉瀬川からの供給と白石地区の水利用を加味する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者のその他の業務の多忙により、研究を実施する時間を十分に確保することができず、また、一部の研究に関して、研究遂行に想定以上に時間を要したことから、当初計画より全体の進捗状況が遅れている。 以上の理由に基づいて補助事業期間延長承認を申請し、補助事業期間を1年間延長し、最終年度を令和6年度へ変更することが認められた。 研究対象地域における水循環の変動特性の解明のために地下水の採取量、嘉瀬川ダムの建設に伴う農業用水の供給、降雨量の情報を収集し、存在する水資源と水利用の関係の分析を行ったが、実際の農業用水の需要及びため池やクリーク等を介した農業用水の管理(用排水)に関する情報は公開されておらず、入手することができなかった。数式モデルにとって農業用水の管理に関する情報は必要な入力データであり、数式モデルの購入や数式モデルを用いた水循環の変動特性の解析、渇水被害のリスクアセスメント等の実施を2024年度に延期せざるを得なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
①佐賀平野における水需要の将来予測及び可視化(担当:研究分担者):水需要予測の解析及び水需要予測の結果の可視化を行う。 ②佐賀平野における水循環の変動特性の解明(担当:研究代表者):2021年度~2023年度に得られた情報及び研究成果に基づいて研究対象地域に適用する数式モデルを決定し、数式モデルを用いて佐賀平野の水循環の各要素の変動特性を定量的に解析する。 ③佐賀平野における渇水被害のリスクアセスメント(担当:研究代表者、研究分担者):IPCCの降雨の将来予測結果を考慮し、数式モデルを用いて渇水時の水循環の変動を予測する。また、佐賀平野における渇水被害のリスク評価を行い、渇水リスクマップとして可視化する。 ④渇水被害を対応できる持続的水資源管理システムの構築(担当:研究代表者、研究分担者):渇水時の水循環の変動を基に対応策を提案し、可視化した水循環の情報を活用した持続的水資源管理システムの構築を目指す。
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