Project/Area Number |
21K12408
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
吉田 信 南山大学, 国際教養学部, 教授 (60314457)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 植民地 / 蘭印 / 移動 / 巡礼 / 帝国 / オランダ領東インド / 旅券 / パスポート / 国籍 / 市民権 / 感染症 |
Outline of Research at the Start |
現在,世界規模でのコロナウィルス感染拡大により人の移動が著しく制限されている。人の移動と感染症の拡大は,歴史的にも度々繰り返されてきた現象である。ワクチンの摂取が始まった現時点では,ワクチン接種の証明書を移動の前提とする動きが各国で議論されつつある。こうした一連の過程を過去にさかのぼりその原型となる事例を解き明かすのが本研究の発想の根底にある。19世紀に他国家間で制度化されていくメッカ巡礼を対象としつつ,恒常的な人々の大規模移動と感染症予防がどのように結び付けられていったのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究実績としては史資料の調査を国内外で実施したことに加え,これまでの調査研究の成果をまとめる過程として全国規模での研究会での報告をおこなったことをあげることができる。それぞれ,その概要について簡単に説明する。 2023年度の日本国内での史資料調査としては,国立国会図書館,京都大学東南アジア地域研究センターなどで調査をおこなった。主にオランダ領東インドにおいて刊行された統計資料あるいは官報といった公的資料の所蔵確認と資料の複写をこれらの機関で実施した。 国外での史資料調査としては,オランダでの調査を実施した。調査対象とした機関としては,国立公文書館,王立地誌言語民族学研究所,ライデン大学図書館,アムステルダム市公文書館などである。これらの各機関では,オランダ領東インドの移動に関する諸規則,移動に際して用いられたパスの実物といった貴重な一次資料を閲覧,複写できた。特に本研究が対象とするメッカ巡礼に関しては,国立公文書館においてジェッダ領事館の史資料にアクセスでき,いくつかの巡礼旅券を実際に確認することができた。また,アムステルダム市公文書館では,オランダ領東インドから西インドのスリナムに向けた移民に関する資料を閲覧できた。これらの帝国間の内部,さらに帝国を横断する大規模な人の移動は,脱植民地化後の現在の国際社会が忘却していた現象ともいえ,その数と規模において現在の人の移動(内戦などでの大規模難民を除き)を凌駕する特徴を備えていたともいえる。 これらの国内外にわたる史資料調査を通じて収集した一次資料の分類・整理といった作業を継続して実施しており,その成果の一部を研究会で報告することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
すでに研究実績の概要欄で説明したように,2023年度は国内外での史資料調査を展開できた。その点でおおむね順調に進展していると評価してよいだろう。 しかしながら,収集した史資料の分類・整理に当初想定したよりも時間を要しており,その成果を刊行するために追加の研究機関が必要であることが明らかとなったため,1年の延長を申請したところである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は2024年度を最終年度とするべく1年間の期間延長を申請したところである。現在,昨年度から継続して収集した史資料の整理を進めている段階であり,これから研究成果を論稿としてまとめる作業に移る予定である。
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