Project/Area Number |
21K12842
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01020:Chinese philosophy, Indian philosophy and Buddhist philosophy-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川村 悠人 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 准教授 (50739068)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | サンスクリット語 / パーニニ / 文法学 / 属格形 / パーニニ文法学 / 属格 / 関係論 / 関係 / 言語哲学 / インド / ヴェーダ語 |
Outline of Research at the Start |
サンスクリット語にある八つの格形のうち、最もその用途が多様なのは属格形である。属格形が伝える一般的な意味は、サンスクリット伝統文法学によれば、ある二者間の「関係」である。ただし「関係」と言っても、 どのような「関係」が属格形を通じて伝えられるかは状況による。本研究は、主要なサンスクリット文法学文献にて展開された属格形の意味論を俯瞰して、伝統文法学が認めた「関係」が表しうる意味の全てを明らかにしようとするものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
1. パーニニ文典の訳注研究を継続し、属格表現に関わる資料を収集・分析しつつ、昨年の第一弾に続く第二弾として『東京大学言語学論集』に訳注研究の続編を発表した。本訳注は、パーニニ文典の一つ一つの規則に対して、翻訳・解説・例を丁寧かつ詳細に施すものであり、本邦では類例のない試みである。本訳注を継続し、完成させることにより、本邦におけるインド古典学の研究水準が飛躍的に向上することが期待される。 2. 『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』といったインド古代叙事詩を中心として、古典サンスクリット文学中に散見される注目すべき属格表現を収集し、資料としてまとめている。文法家たちが文法学文献で展開する煩雑な理論を追うだけではなく、作家たちによる実際の用例にも目配せをすることで、本研究をより豊かなものにすることができると考える。 3. 本邦初となるパーニニ文法学の入門書を書き上げ、出版社に入稿した。そこには本研究を遂行するなかで得られた資料や知見を大いに盛り込んでいる。本書は、これまで専門家以外の手には負えない難解な代物として敬遠されてきたインド伝統文法学(パーニニ文法学)の手ほどきをするものであり、上記と同じく、本邦におけるインド古典学の研究水準を向上させることができると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関連するサンスクリット文法学文献の確認と読解を進めつつ、古典サンスクリット文学に現れる関連表現にも目を配って読解を進めることができたため。また、大きな研究成果の一つとして、パーニニ文法学入門の書籍刊行の準備を進め、出版社に入稿することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
1. パーニニ文典の訳注研究の継続とサンスクリット文学に散見される注目すべき属格表現の収集に努める。 2. 文法家パタンジャリが論ずる所有接辞論のなかに、本研究課題にとって重要な資料が含まれているため、本年は当該の所有接辞論の読解と資料のまとめ及びそれに関する研究成果の公表を一つの軸とする。 3. 9月に京都大学で行う集中講義にて文法家たちの所有接辞論を扱い、資料をまとめつつ、12月に同じく京都大学で行われる国際ワークショップにて、成果の一部を発表する。
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