Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
本研究は、上座部仏教の文献を伝えるパーリ語の過去受動分詞について、その使われ方や意味を明らかにする。パーリ語には過去受動分詞という動詞の形式がある。過去受動分詞はいわゆる現在完了の意味を表すとされる。また「受動」という名称の通り、他動詞から作られた場合は受け身の意味になる。しかしこの分詞は自動詞からも作られ、その場合は受け身にならない。本研究では「現在における結果」という、現在完了と区別される意味の区分を取り入れて、パーリ語における過去受動分詞の使われ方を調べ、これまでの現在完了という理解や受け身になる・ならないということを総合的に捉えることで、パーリ語の文法を明らかにすることを目指す。