近世日本における朱熹『家礼』の実践と影響に関する研究―儒式喪祭礼の多角的展開
Project/Area Number |
21K12863
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01040:History of thought-related
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies (2023) Ritsumeikan University (2022) Kansai University (2021) |
Principal Investigator |
松川 雅信 神戸市外国語大学, 外国語学部, 講師 (00822834)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 日本思想史 / 日本近世史 / 儒教儀礼 / 『家礼』 / 闇斎学派 / 儒教 / 葬祭儀礼 / 大名家 / 天皇家 / 神葬祭 / 儒礼 / 朱子学 / 藩主 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、主に以下二つの検討課題を解決していく形で進められていく。第一に、未だ殆ど検討されていない、水戸・岡山両藩以外の好学藩主層における種々の儒式喪祭礼実践についてとりあげて考察し、『家礼』実践に関するさらなる事例蓄積を行う。また、新たな好学藩主層の事例に基づきながら、つとによく知られた水戸・岡山両藩の事例の相対化を図る。第二に、公家・神道家・国学者といった儒教以外の諸思想に携わる多様な知識人達に(反発も含めて)『家礼』が与えた影響の実態に迫る。その際、方法としては公家・神道家・国学者のいずれとも接点を持った闇斎学派に、まずは注目する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、宋代中国で成り、その後の東アジア世界に多大な影響をもたらした、朱熹(1130~1200)の著した冠婚喪(葬)祭礼の実践マニュアル書、『家礼』の近世日本における多角的展開の様相を把握しようとするものである。とりわけ、喪祭礼部分に着目した考察を進める。 従来、近世日本の儒教には『家礼』の影響は全くなかったものと考えられてきた。すなわち、近世日本儒教は祭祀・儀礼・宗教等の側面を欠落させた、学問・道徳としての「儒学」に過ぎなかったものと長らく考えられてきた。それに対し近年では、新資料の発掘が進んだこともあって、近世日本の儒者達も『家礼』に載る喪祭礼に多大な関心を示し、現実に実践していた例も決して少なくなかった事実が指摘されつつある。従来の通説は大幅に覆りつつあるといってよい。 しかしながら、未だ『家礼』が近世日本に与えた影響の全容が解明されたとはいい難いのが現状である。そこで本研究は、儒者以外の様々な対象にも視野を広げることにより、近世日本における『家礼』の影響・実践の実態を可能な限り詳細に明らかにしようと試みる。具体的には、闇斎学派と関わりを有した武士・公家・神職等を始点とし、そこから徐々に対象を広げていく形で検討を進めていく所存である。 今年度はこうした視座のもと、論文「阿部吉雄の李退渓研究―山崎闇斎研究との関連を中心に」や共著『〈学知史〉から近現代を問い直す』の出版に加え、昨年度に引き続いて新発田藩学関連資料の収集といった成果をあげることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は論文1本、共著1冊、口頭発表1本の成果をあげることができた。これらはいずれも、本研究の主な対象となる闇斎学派について論じたものであるという意味においては重要な成果だと確信しているが、他方で、その『家礼』受容について本格的に立ち入った成果を活字化するまでには至らなかった。もっとも、既に執筆・受理済で2024年中に刊行予定の成果もなかには存在するが、それはあくまで次年度の成果に含まれることになるため、今年度の成果としては「やや遅れている」ということになる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は昨年度に引き続き、新発田市立歴史図書館所蔵の新発田藩学関係の未刊行資料を大量に調査・収集することができた。ここには闇斎学派や『家礼』実践に関する重要な事例が数多く含まれることも既に調査・蒐集の過程で判明しているため、次年度はさらなる資料の調査・蒐集と併せ当該史料の検討を進めることで、成果を出していきたいと考えている。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)