江戸後期における明清詞論の受容に関する研究―野村篁園とその門人たちを中心に―
Project/Area Number |
21K12916
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Yamagata University (2022-2023) Osaka University (2021) |
Principal Investigator |
陳 竺慧 山形大学, 人文社会科学部, 講師 (50881281)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 野村篁園 / 友野霞舟 / 題画詞 / 昌平黌 / 漢文学 / 漢籍受容 / 日本填詞 / 填詞 / 雅詞 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、江戸後期の詞人である野村篁園とその門人たちが明清詞論をいかに受容し、創作に反映したのかを明らかにするものである。具体的な課題としては、大きく以下の三つが挙げられる。 ①野村篁園とその門人たちの関連文献の収集と整理。 ②野村篁園とその門人たちの詞の訳注。 ③昌平黌に所蔵されていた詞籍の調査。 江戸詞人と明清詞論の関わりを明確に指摘することによって、日本の詞を日本漢文学史および東アジアの文化交流史の中で正しく位置づけたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度では本研究において重要な課題の一つである「野村篁園とその門人たちの関連文献の収集と整理」について調査を行った。その中でも特に篁園の門人である友野霞舟について一定の成果を上げることができた。霞舟の詩文集はいずれも写本のまま各機関に所蔵されており、その文業の全貌が把握されていなかった。そのため、本研究は霞舟の現存詞作について再点検を行い、その初歩的成果を「友野霞舟の填詞について」というタイトルで早稲田大学中国文学会第四十八回春季大会において口頭発表を行った。そこで得られた知見を踏まえて、その編纂の過程および詞学観の変化について新たな考察を加え、論文「友野霞舟の現存詞作について」(『風絮』第20号)を発表した。そして前述の調査によって見えてきた一部の昌平黌独自の創作圏域の拡大および詩文伝承の系譜をまとめ、「昌平黌を中心とした填詞活動の再考――作品の成立過程をめぐって」というタイトルで日本中国学会第七十五回大会にて発表した。 また、江戸後期の内外情勢・明末清初の中国詞壇の動向を視野に入れながら、野村篁園の詞学観とその作品について再検討を行い、「空中傳恨:幕末前夜的『儒者』與詞」というタイトルで香港浸會大學孫少文伉儷人文中國研究所「文獻、視野與路徑:開拓中的中國古典文學研究」第八屆青年學者國際學術研討會にて発表した。 他に以前口頭発表したものを論文にまとめ、「題画詞から見た日本近世における詞の受容について―野村篁園と田能村竹田を中心に―」(『山形大学人文社会科学部研究年報』第21号)を発表し、二人の作者に焦点を絞ることによって日本近世における詞の受容には少なくとも二つの異なる流れがあることを浮き彫りにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要でも述べたように、研究開始時に掲げた課題の一つ「野村篁園とその門人たちの関連文献の収集と整理」に関しては一定の成果をあげることができ、年度を通して論文を2篇、研究報告を3回発表することができた。また、前年度まではコロナの影響で叶わなかった国際学会の現地参加が実現し、海外の学者との交流や情報交換で得るものが多かった。 以上を踏まえて、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度に入るにあたって、既発表の原稿を修正しつつ、今まで検討したものの未発表の内容を積極的に整理し、不足な部分を補い、単著書籍として刊行することを目指す。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)