江戸の女流文学者、荒木田麗女の歴史物語・紀行文・随筆の研究
Project/Area Number |
21K12933
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
雲岡 梓 京都産業大学, 文化学部, 准教授 (30732888)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2028-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | 荒木田麗女 / 笠舎 / 歴史物語 / 続日本紀 / 神皇正統記 / 連歌 / こころの種 / 万葉集 / 和学 / 擬古物語 / 紀行文 / 随筆 / 井上通女 |
Outline of Research at the Start |
江戸時代中期の女流文学者、荒木田麗女の歴史物語・紀行文・随筆の研究を行う。麗女は歴史物語・擬古物語・随筆・和学・紀行文・連歌等の複数分野で膨大な作品を残しているが、それらの多くは未翻刻・未調査である。 そこで歴史物語『池の藻屑』『月のゆくへ』『笠舎』、紀行文『初午日記』『後午日記』『山行記』『鏡石の記』、随筆『麗女文集』『みなとの浪』『和文の註』を中心に記述内容の分析・先行作品との影響関係等の調査を行い、並行して翻刻作業を進める。 また江戸時代前期の女流文学者、井上通女の紀行文が麗女に影響を与えた可能性があることから、両者の文章表現を比較し、江戸女流文学の系譜における麗女の位置を分析する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
産前産後休暇・育児休業の取得にともない、「研究中断届」・「延長承認申請書」を提出して2022年7月1日から研究を中断しているため、荒木田麗女の歴史物語・紀行文・随筆について、当初の予定通り研究計画を遂行することができなかった。 紀行文・随筆については計画通りに研究に着手することができず、歴史物語についてのみ研究を進めることができた。 神武天皇から高倉天皇までの歴史を記す未翻刻の長編歴史物語『笠舎』につて、巻12の翻刻と、麗女が執筆した際に典拠とした作品の調査を行った。その結果、『笠舎』巻12の第46代孝謙天皇条は、『続日本紀』の記事を和文に改め、そこに『神皇正統記』・『元亨釈書』・『本朝高僧伝』の記事を付け加えて執筆されたものであることが明らかになった。その成果を、論文「荒木田麗女『笠舎』巻十二・四十六代(孝謙天皇)の翻刻と典拠の考察」としてまとめ、『日本文藝研究』第74巻第2号(2023年3月)に発表した。 また、麗女が執筆した物語作品の典拠特定や、連歌知識の範囲等を知るために、神宮文庫(三重県)に所蔵される麗女夫婦の蔵書目録とみられる3冊の書、『書目 全』・『要書目』・『書目』のうち、『要書目』(寛政2年成立)の翻刻と調査を行った。その結果、現存未詳の資料も含め、『要書目』に記される合計1026種の書名が明らかになった。同書の翻刻についてはいまだ雑誌等で公開していないが、今後翻刻論文の形にまとめて公開の予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
産前産後の休暇、および育児休業の取得のために「延長承認申請書」「研究中断届」を提出し、2022年7月1日から研究を中断したため。 なお、予定していた研究計画を1年半後ろ倒しし、育児休業復帰後に再び研究を進める予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
産前産後の休暇、および育児休業の取得のために研究計画の変更が生じたが、予定していた研究計画を1年半後ろ倒しし、2024年度に研究を再開する。再開後は、後醍醐天皇から後陽成天皇までの歴史を記す長編歴史物語の『池の藻屑』と、高倉天皇・安徳天皇二代の出来事を記す歴史物語『月のゆくへ』について、詳細な語注と現代語訳を付した全注釈書発行に向けて注釈・現代語訳作業を進め、完成を目指す。また神武天皇から高倉天皇までの歴史を記す未翻刻の長編歴史物語『笠舎』の翻刻と典拠の特定作業を進める。現在までに『笠舎』全33巻中12巻までに翻刻を終えているため、引き続き13巻以降の翻刻を行う。 そして、麗女の紀行文『初午日記』・『後午日記』・『山行記』・『谷の声』について、先行する井上通女の紀行文『東海紀行』・『帰家日記』との影響関係の分析を行う。それに際し、『東海紀行』・『帰家日記』の諸本を調査し、最善本の特定を行いたいと考えている。 さらに、白百合女子大学に所蔵される麗女の未翻刻の短編随筆『麗女文集』・『和文の註』の翻刻作業と内容分析を行う。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)