戦国期古典学史の基礎的研究ー連歌師の源氏学を中心にー
Project/Area Number |
21K12939
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
ノット ジェフリー 国文学研究資料館, 研究部, 助教 (30847794)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 連歌師 / 注釈 / 宗祇 / 源氏物語 / 帚木別注 / 不審抄出 / 長珊聞書 / 室町 / 戦国 / 古典学 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、戦国期古典学の発展・発達の歴史を、その開花に大いに貢献した連歌師による講釈・注釈資料の細密調査を通して浮き彫りにさせ、とくにその中で連歌師の役割がもっとも特徴的だったと見える『源氏物語』の当代研究の変遷を解明することを目的とする。 戦国時代は、これまで『源氏物語』をはじめ王朝期古典の受容史における転換期と認識されながら、その変革を記録する資料の多様かつ複雑な伝存状況もあって、その古典学の歴史が詳細に描かれてこなかったといえよう。本研究は、戦国期に一番活躍した連歌師の学問を追うことで、当代古典享受の輪郭をより鮮明に焙り出し、古典文学そのもののより動的な捉え方にも貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦国期古典学の発展・発達の歴史を、その開花に大に貢献した連歌師による講釈・注釈資料の細密調査を通して浮き彫りにさせ、とくにその中で連歌師の役割がもっとも枢要で、もっとも特徴的だったと見える『源氏物語』の当代研究の変遷を解明することを目的とする。この統一目標のもとで、(1)室町後期からも古典学に甚大な業績を残した連歌師宗祇の弟子と当流の門徒(特に①宗碩と②猪苗代兼載とそれぞれの後継者)が戦国時代を経て各地に展開した講釈・注釈活動の実態や影響を把握、(2)公家や武家から地下まで様々な形で宗祇流をはじめ連歌師の古典学を継承した人々(特に三条西実隆とその家門)による活動内容の解明、また(3)その他に連歌師がかかわったと見える古典学、特に源氏学関連の諸種資料(注釈、聞書、本文、抜書、系図、秘伝書等)をできるだけ網羅的に確認しその情報を集積して分析した上、連歌師が当時の古典学に果たした役割をあきらかにすべく、以上三つの具体的な課題を設定した。2022年度に下記にとおり研究活動を進めた。
(1)については、宗祇流源氏学の解釈方針などがある程度窺える重要な注釈資料、『源氏物語不審抄出』の悉皆調査を進め、現存伝本の情報(複写物などを含む)をほぼ網羅的に集められた。その中で比較的に整った本文を伝える一本を選択し、詳細な改題を添えた形でその全文翻刻を学術雑誌で公開した。 (2)については、「宗祇流」源氏学の性格と継承を(先行研究を整理して再検討しながら)総合的に考察し、共編の論文集に公開した。 (3)については、連歌師古典学の流れを汲む後代の注釈活動の研究を進め、特に北村季吟のそれに見える多様化を考察し、『枕草子』を対象とした季吟『春曙抄』を中心にその成果を国際学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は感染症対策の段階的な緩和を受け、より積極的に資料調査・資料収集ができるようにもなり、また成果発表(口頭・出版)の機会も増え、活用することができた。『帚木別注』『不審抄出』諸伝本の調査も順調に進められた。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症による影響も緩和されて資料調査がより容易になったため、来年度はより幅広く各地の所蔵先に出向いて調査を進める一方、昨年度の調査成果を公開する予定。主に(A)宗祇『帚木別注』諸伝本の中、早稲田大学図書館伊地知鉄男文庫所蔵本のみが伝える特徴的な増補注記群とそのほぼ同文を載せる『長珊聞書』との関係の考察と、(B)『帚木別注』諸伝本の系統分類を試みる論考とを優先的に準備中。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)