Project/Area Number |
21K12980
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
菅沼 健太郎 金沢大学, 人文学系, 助教 (00775835)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | チュルク諸語 / 規則 / 含意関係 / カラチャイ語 / キルギス語 / カザフ語 / 音韻論 / 含意 / 言語類型論 |
Outline of Research at the Start |
本研究はトルコ語などが属するチュルク諸語を対象とした音韻論的研究を行うものである。チュルク諸語は互いに類似しつつも細部では異なる音韻論的特徴をもつ。本研究ではそのようなチュルク諸語間の音韻論的な異同を整理する。そしてその異同からチュルク諸語間にみられる音韻論的な法則性(音韻論的規則の含意関係)を明らかにする。このような法則性を明らかにすること、およびその成果を発信し、その法則性が他言語にも当てはまるのかを俎上に載せることは、通言語的な特徴を明らかにしようとする言語類型論に貢献する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではチュルク諸語に働く種々の音韻規則に着目する。そして、音韻規則間にみられる含意関係を明らかにすることを通して、チュルク諸語内における通言語的特徴を明らかにすることが本研究の目的である。この目的を踏まえ、本年度はチュルク諸語のひとつであるカラチャイ語の研究を行った。研究においては軟口蓋子音の振る舞いやアクセントに注目し、他チュルク諸語との対照を行った。そのうえで、本年度はカラチャイ語に見られる音韻論的特徴を説明する規則を明らかにした。そしてその規則に関する成果をカラチャイ語の調査報告書の一部としてまとめた。これに加え、音韻的特徴だけでなく、補助動詞や情報構造についての文法的特徴を明らかにした。 具体的な成果物としては先述の調査報告書の出版、および論文2本、発表3件があげられる。調査報告書ではカラチャイ語の音韻規則だけでなく、名詞、動詞、形容詞の形態論的、統語論的特徴をまとめた。また将来的なカラチャイ語学習にも資するようにするため基礎語彙集と短文会話集を作成した。論文や発表においては完了を表す補助動詞 -ib iy-, -bi kal, -ib koy(日本語に訳するならそれぞれ“~ておくる”、“~て残る”、“~て放置する”に該当)それぞれの意味と共起可能な動詞(「~て」の部分に現れることができる動詞)について整理し、3つの補助動詞間に異同がみられることを示した。また、情報構造については、カラチャイ語の接語 wa が話題変換異能をもつことを明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オンライン調査や新聞データの整理などを通して十分な調査を行うことができているため。また、研究実績の概要に述べたとおり論文執筆や発表などを行うことができているため。なお、今回30万ほどの次年度への繰り越しが生じたが、これは出版にかかる費用が当初予定していたよりも安く済んだためであり、研究に遅れが生じているわけではない。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度までの目標として、昨年度執筆した論文をベースとして、そこに他のチュルク諸語のデータを足し再分析を行った論文を執筆する予定である。本年度はカラチャイ語について扱ったが、来年度はタタール語やサハ語などのデータを収集し最適性理論に基づいた分析を行う予定である。
|