Project/Area Number |
21K13006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石田 真子 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 講師 (00894479)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | perceptual restoration / Perceptual Restoration / Perceptual restoration / illusion / robustness / psycholinguistics / L1 and L2 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、「第一・第二言語における知覚的補完能力(=人間の脳が崩れた情報を補完して理解する能力)」をテーマとし、そのメカニズムを解明するための研究を行う。特に、英語の母語話者や日本語の母語話者が、第一・第二言語において、どのように「音響的に劣化した音声」や、「視覚的に劣化した文字列」を補完して理解するのか、について考察していく。また、それらの知見を踏まえて、知覚的補完能力を向上させるための教育プログラムや教材開発について考えていきたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、第一言語・第二言語における知覚的補完能力(=人間の脳が崩れた情報を補完して理解する能力)を調べることにある。特に、人間が「音響的に劣化した音声」をどのように知覚上で処理し、理解しているかについて、音声知覚実験の結果を考察しながら、音声知覚処理のメカニズムを探っている。
これまでの研究では、音声波形の時間配列を意図的に音響的に崩し、その劣化音声を人間がどのように理解するのかについて、第一・第二言語の音声知覚データを集めて調べて来た。今年度は、第一・第二言語における時間反転音声(=音声の時間配列を崩した音声)の知覚実験のデータについて、分析・考察を行ったが、同時に、日本語の中に存在する「カタカナ英語」についても考察した。即ち、日本語母語話者が「英語の音声(=第二言語)」を聞いて、それをどのように知覚的に補完して「日本語の音(=第一言語)」に置き換えているのか、について、「日本で出版されている本の<英語のカタカナ表記>」に着目して分析した。その結果、「子音連続が多い英語の音」は「日本語の<子音+母音(CV)>の音」に置き換えられることが多いことを再確認したが、同時に、日本語の文字表記が英語音声の知覚・認識(=知覚的補完)に与え得る影響についても考察した。特に、英語の音を日本語の音として文字表記すると、言語音の認識に乖離が起こること、また音を視覚情報として捉えた場合に起こり得る音声認識・産出への影響について例を挙げて報告した。母語の音素配列ルールと、それが第二言語の音声認識に与える影響について継続的に探っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究では、英語の母語話者・日本語の母語話者に対して音声聴取実験を行い、第一・第二言語における音声聴取のメカニズムを探って来ているが、今年度は、先行研究の結果と照らし合わせながら、実験データの分析・整理を行うことが出来た。また「音声の知覚的補完」や「日本語母語話者が知覚・算出する英語」について、心理学・言語学の視点と、言語教育・World Englishesの観点から論じることが出来た。音声知覚研究とその教育的応用・示唆について引き続き考えていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究では、音声の知覚的補完(=人間の脳が劣化音声を知覚的に補完して理解する能力)について、主に時間反転音声(=音声の時間配列を崩した音声)を用いて研究を進めてきた。その結果、単語レベルでの音声知覚実験の結果に着目すると、「英語の時間反転音声」と「日本語の時間反転音声」の明瞭度に差があることがわかってきている。また、「(単語レベルでの)時間反転音声の音声明瞭度の差」には言語構造の差異が関連している可能性が考えられる。今後は、引き続き、先行研究と照らし合わせながら、音声聴取実験の結果を分析・考察し、音声の知覚的補完における「母語」の影響について考察していきたい。
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