漢語方言の統一調査に基づく疑問詞疑問機能の普遍的関連性の探究
Project/Area Number |
21K13007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
野田 寛達 明治大学, 経営学部, 専任准教授 (10737373)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 疑問詞 / 漢語方言 / 言語類型論 / 文法 / 意味地図 |
Outline of Research at the Start |
本研究は中国の多様な方言に関して、疑問詞(5W1H)を対象に、その普遍性と個別性の一端を明らかにしようとするものである。まず、従来蓄積された標準語と様々な方言に関する資料を整理し、最大公約数的な調査目録を作成する。これは今後の方言調査において参考価値のあるものとなる。そして、目録を用いて調査を行い、統一の基準に基づいた結果を得ることで、方言に関して普遍的な特徴や個別的な特徴を知ることができる。これにより漢語方言全体の大まかな特徴が明らかになるとともに、他言語との比較も行いやすくなるため、言語学全体への貢献も期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
方言文法の実態を記述した方言文法記述書における内容の不統一や、描写内容の不十分さを改善するために研究の第一歩として調査内容の目録の作成を行なった。方法としては、現代漢語文法の代表的な著作の内容を整理し、そこに漢語方言の文法記述書の内容を加えて、普通話にない文法現象も調査項目も加わるというもので、漢語方言文法の描写に相応しい目録とする計画である。その後、目録を利用した個別の方言調査を行う予定であったが、目録の作成の段階で普通話の漢語方言の描写自体に不統一性や不十分さがあり、少なからぬ問題があることからその解決方法を模索することにした。特に疑問詞"zenme"に関して問題が多かったため、この疑問詞に焦点をあて研究を行なった結果、目下以下の研究成果を発表した。 野田寛達2022「“zenme”の形容詞単独修飾に関する一分析」『人文科学論集』68号55-77頁。 野田寛達2023「漢語方言の疑問詞を対象とした言語類型論研究の方法論と“zenme”、“zen(me)yang”の用法体系の構築」『明治大学人文科学研究所紀要』90号151ー193頁。 野田寛達2023「漢語方言の「原因」を問う疑問詞表現の類型分析と方言調査項目の提案」『中国文学研究』49号38-60頁。 また、"zenme"に関する普通話及び漢語方言記述書での記述の諸問題に関して具体例を挙げ、さらに詳細かつ具体的な調査目録に関してまとめた内容を以下の学会で報告予定である。IACL30(International Association of Chinese Linguistics 30th、韓国ソウル市延世大学、5月25-27日)発表題目「試論漢語方言疑問代詞的疑問機能考察目録方案ー以"zenyang"類疑問代詞為例」今年度は引き続き目録の作成を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究にとって漢語方言に対する言語類型論研究に必要な統一的な目録の作成は研究の基礎となる重要なもので、当初の予定では目録作成は1年目で完成できる見込みであった。だが、過去の普通話及び漢語方言の文法記述に想定よりも多くの記述不足や不統一の問題が存在したため、先行研究を土台とした目録の作成の難易度が格段に向上したことが主な原因である。研究対象の疑問詞も方言によって想定したよりも多様性が存在し、その整理と体系の総括に想定よりも多くの時間を要する。そのため、疑問詞全体ではなく、対象を"zenme”に絞り研究を行なったところ、これに関しては目録作成の目処がついた。今後は他の疑問詞を対象に同様に先行研究の整理、総括を行い目録の作成を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
疑問詞の“zenme“に関しては、目録作成がほぼ完了したため、引き続き“shenme“など他の疑問詞を対象にして同様の目録作成を行う。他の疑問詞は“zenme”ほど用法が複雑ではないため、今後は研究の進展速度の向上が見込まれる。なんとか疑問詞全体の調査目録の作成まで行えるようにしたい。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)