Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
近世国学者である義門は、伝統的に五音相通と言われてきた音韻交替の現象を「転用」と称して整理し、自身の活用研究に用いる。本研究では、「転用」の具体的用例の整理と議論の集成である義門『山口栞』(天保7年〈1836〉刊)を主な研究対象とし、従来の五音相通説をどのように整理し、活用論に援用しているか検証する。本研究によって、これまで単線的に把握されてきた五音相通説と活用論の関係を循環的な関係として見直し、近世国学における活用研究の実態、さらには学校文法成立過程の一端が解明されることが期待される。