Comprehensive Study on Thoughts and Actions of Mishima Michitsune
Project/Area Number |
21K13089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小幡 圭祐 山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (30770127)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 道路政策 / 西南戦争 / 写真 / 菊地新学 / 油絵 / 高橋由一 / 地理書 / 教育政策 / 三島通庸の思想 / 薩摩藩 / 郷中教育 / 儒教 / 朱子学 / 山形県令期の行動 / 県都建設 / 電信政策 / 三島通庸 / 地方官 / 山形県 / 内務省 / 三島通庸関係文書 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、明治初年に長らく地方行政に携わり、その後に中央行政にも参画した、薩摩藩出身の官僚・三島通庸(1835~1888)が、どのような思想を抱き、またその思想に基づき、いかに地方・中央で行動をとったのかを、彼の残した膨大な史料群「三島通庸関係文書」(国立国会図書館憲政資料室所蔵)を網羅的に分析することで解明し、地方・中央行政史研究を深化させることを直接の目的とする。本研究により、これまで分断して行われてきた中央行政史研究と地方行政史研究の成果の見直し・架橋をはかるとともに、日本近代史研究において地方官に着目する視座を提起することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、明治初年に長らく地方行政に携わり、その後に中央行政にも参画した、薩摩藩出身の官僚・三島通庸(1835~1888)の思想と行動を、彼の残した豊富な一次史料の総合的分析により解明し、地方・中央行政史研究を深化させることを目的としている。 2022年度においては、2021年度に解明した思想的特質を基礎に、三島の山形県令としての行動を考察した。具体的には、国立国会図書館憲政資料室所蔵「三島通庸関係文書」所収の山形県関係の文書を網羅的に調査・分析し、三島の行動の特質と思想との関連を検討した。分析の結果、三島は儒教的価値観から「道」を強烈に意識しており、これがもとで物質的な「道」=交通インフラ建設をも重視していたが、その一方で西洋由来の通信インフラである電信についても、1877年の西南戦争を画期としてその有用性に着目していたこと、三島による電信の活用は山形県における経済政策の側面のみならず、三島の重視する儒教的価値観や「道」の考え方の箔付けや補強の意味も持っていたことを解明した。分析の成果は、査読論文「三島通庸県令期における山形県の電信と地域社会」(『郵政博物館研究紀要』第14号、2023年3月)として公表した。 さらに、西洋由来の技術を自身の儒教的価値観の補強に利用する三島の手法は、電信のみならず、道路建設における西洋技術の利用や、自身の成果を写真家・菊地新学(1832~1915)や油絵画家の高橋由一(1828~1894)の作品として残させる点からも解明可能であるとの見通しも獲得できた。この見通しについては、東北大学日本史研究室編『東北史講義【近世・近現代篇】』(筑摩書房、2023年)の第5講「明治政府と東北開発」にてその可能性に言及するとともに、地理書の刊行や教育政策など具体的な事例からも論証可能であることを東北史学会大会における研究発表で示し、投稿論文も準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2022年度においては、予定していた研究計画通りに調査・分析を行うことができた。加えて、予定していた研究計画をさらに深める見通しをも獲得することができた。当初の計画以上に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
現段階において研究計画遂行上に問題は見られないため、基本的に予定している研究計画にもとづき研究を推進する予定である。2023年度においても、「三島通庸関係文書」をはじめとする、未刊行史料の丹念な調査・分析と研究成果の公表を計画している。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)