Project/Area Number |
21K13101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
三好 英樹 京都府立大学, 文学部, 研究員 (60757574)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 根来寺 / 修験道 / 山伏 / 葛城峯 / 地域社会 / 聖教 / 伽藍 / 日本中世史 / 修験 / 聖教・文書・記録 |
Outline of Research at the Start |
中世後期、地域社会の中核となる巨大な顕密寺院が出現し、その代表的な寺院として位置付けられる根来寺(和歌山県岩出市)は、紀伊国北部のみならず和泉国や河内国にまで及ぶ広範な地域に影響を及ぼした。従来その要因として、周辺地域の人々が行人方として多数入寺し、武力行使や流通・経済活動を広域的に行ったことが重視されてきた。しかし近年、中世根来寺の展開において、学僧や修験者・山伏といった宗教者による宗教活動の寺内外における重要性が明らかになりつつある。本研究では、中世の根来寺を中心として形作られる地域社会の形成と展開について、信仰や宗教が果たした役割に注目し、原史料調査も実施することで考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本中世に顕密寺院を中心として形作られる地域社会の形成過程と内実について、紀伊国根来寺を事例に明らかにすることを目的とする。中世後期、「地域的な一揆寺院」とも評価され地域社会の中核となる巨大な顕密寺院が出現し、根来寺の場合、和泉国・河内国にまで拡がる地域に影響を及ぼした。その要因として、周辺地域の人々が行人方となり根来寺へ多数入寺したこと、彼らが寺内に富を蓄積するとともに、武力行使や流通・経済活動を活発に行ったことなどが先学により解明されている。ただ、信仰や宗教の役割は、あまり注目されていない。しかし、中世根来寺の展開において、学僧や修験者・山伏といった宗教者らの、寺内外における宗教活動の重要性が明らかになりつつある。本研究では、根来寺を分析対象として、信仰や宗教が果たした役割に着目し、国境や庄域を超えて形作られた広範で多様な地域社会の形成過程と内実について、根来寺の寺院としての展開を視野に入れながら、原史料調査の成果も積極的に用いることで考察する。 2年目となる本年度は、中世根来寺における修験道の有り様や位置について、特に葛城の峯との繋がりを中心に、伽藍造営や地域社会との関係にも注目して考えを深めた。その成果の一部は、学会などにて報告した。また、原史料調査も幅広く行い、調査などで得られた知見の一部も研究会などで報告した。加えて、初年度に引き続き、把握した史料の整理・分析を行うとともに、関連史料の収集にも努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画にもとづいて、根来寺関連史料の調査・収集・整理・分析を、おおむね計画通り行うことができた。 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、初年度に予定していた原史料調査のうち幾つかが実施できず、初年度予定分の調査を本年度に実施するなどしたため、当初の調査予定より若干の遅れが生じてはいるものの、研究実績の概要に記した通り着実に研究を進めることが出来ている。そのため、本研究はおおむね順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的を達成するため研究実施計画にもとづき、次年度も原史料を含む根来寺関係史料の調査・収集を積極的に行い、本年度までの成果を踏まえて、学僧や修験者・山伏らによる地域社会での宗教活動などに注目し、伽藍造営や地域社会形成におけるその役割を明らかにする。また、各時期における活動の範囲や内容を把握し、その上で、根来寺を中心とした地域社会の形成過程と展開を考察する。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)