Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
9世紀末から10世紀は、律令制から摂関期の国制の移行期に当たる。この変化の様相を捉えるために、この間に定着する公卿会議「陣定」を網羅的に検討する。律令制とは異なる摂関期の国制それ自体は、これまでの研究でかなり明らかになった。しかし、そこに到る過程の解明は必ずしも十分と言えない。本研究では「陣定」の変化を捉えることで、国制の変質過程の一端を明らかにする。①これまで十分に活用されてこなかった『醍醐天皇御記』等の逸文史料・実用書に引用された史料を活用し、②古文書学的手法を導入して、記録類に引用された文書を様式論・機能論的な視点から検討する。それを通して「陣定」成立・定着期の実態を明らかにする。