Project/Area Number |
21K13124
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
土肥 歩 同志社大学, 文学部, 助教 (10731870)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 宣教師 / プロテスタント / 太平天国 / 広西省 / 辛亥革命 / 地域社会 / 広東 / キリスト教 / 広東省 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、上帝会の武装蜂起(1851年)から太平天国の滅亡(1864年)に至るまで、プロテスタント宣教師(以下、宣教師と表記)が太平天国に対する認識をどのように変化させたかを描く。本研究は、これまで断片的にしか扱われてこなかった宣教師の視点から、太平天国の興亡を長期的に俯瞰しようとする試みである。 本研究の進展により、清朝の公文書や列強の外交文書に記録されてこなかった新たな歴史的事実の発掘が期待されると同時に、宣教師関連資料の有効性について、研究者に問題提起することが可能となるだろう。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題の最終年度は、以下の3点について実施した。 1点目は太平天国(上帝会、拝上帝会)の発祥地となった広西省(現在の広西チワン族自治区)についての研究である。そもそも、私はこの地域のプロテスタント伝道の状況について理解する必要があると考え、20世紀初頭に発生していた自然災害で救済活動に従事した宣教師の史料を基礎として、広西省におけるプロテスタント諸教派およびローマ・カトリック教会の伝道に関する歴史を研究した。文献史料を調べる過程で、太平天国の勢力拡大がこの地域におけるプロテスタント伝道の進展に否定的な影響を与えていたことを知る事ができた。この成果自体を文章化することはできなかったが、その成果の一部は「在華プロテスタント宣教師と災害救済:広西省を事例として」という論文にまとめて発信することができた。 2点目はイギリスにおける史料調査である。過去数年の社会情勢ゆえに海外への渡航が制限されていたが、本課題実施の最終年度に海外渡航が可能となった。そのため、2023年11月末から12月初頭にかけて、イギリスのPublic Record Officeを訪れ、太平天国崩壊前後の広東省の領事報告(F. O. 228/363など)を閲覧した。この資料のなかで広東省に駐在していたイギリス領事の太平天国認識とみられる記述も存在したため、宣教師側の認識と照合するなど、今後の継続的な調査がまたれる。 3点目は清朝崩壊直後の中国社会における太平天国認識についての論文である。同論文は、1912年初頭に清朝の中国支配が終了した直後に、中国社会内部で太平天国に対する評価がどのように変化したのか、主要な中国語新聞を手がかりに言説分析を行っている。年度末に論文を学術誌に投稿した結果、2024年度なったのちに査読意見を得ることができた。現在、これに基づいて論文の修正を行っている。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)