Empirical analysis on relationships between misinformation and disinformation in cyberspaces and socioeconomic situations
Project/Area Number |
21K13278
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澁谷 遊野 東京大学, 空間情報科学研究センター, 准教授 (20847917)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | ソーシャルメディア / 誤情報 / 偽情報 / SNS / フェイクニュース / 誤情報・偽情報 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、これまで主に理論面から経済学で論じられてきたメディア・バイアスやその応用理論を基盤として、サイバー空間の言説と社会経済状況との動的な関係性を大規模データを用いて実証的分析する。誤情報・疑情報・排外的言説は、情報への懐疑心や不信感の醸成し、プラットフォームの正の外部性の低下や、探索コストの増加、資源の誤配分を引き起こす一方、消費者は自らの信念をサポートする情報を好み選ぶことで効用を得ている場合もある。実社会とサイバー空間の相互のつながりがかつてなく深まり、変容している社会経済構造をどのように分解し捉えられるのかを、サイバー言説と市場に着目して検討し、政策検討の基礎的な資料提供を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,これまで主に理論面から論じられてきたメディア・バイアスやその応用理論を基盤として,サイバー空間の言説と社会経済状況との動的な関係性を大規模データを用いて実証的分析するものである。実社会とサイバー空間の相互のつながりがかつてなく深まり,変容している社会経済構造をどのように分解し捉えられるのかを,サイバー言説に着目して検討を行う。特に,社会経済的な影響が指摘されている偽情報や誤情報等を中心としたサイバー言説をめぐる社会課題に対して,どのような対応が考えうるのかなど,政策検討の基礎的な資料提供を行うことを目指す。
この目的に従い,2021年度は,3つの研究をおこなった。第一に,偽情報・誤情報等のオンライン言説の実社会への影響を分析する上で基盤となる分析方法や理論的枠組みの検討を,系統的文献レビューを行うことで実施した(Shibuya et al., 2022)。第二に,国内のFacebookにおけるCOVID-19に関連する偽情報・誤情報を事例に,サイバー言説の特徴等の分析を記述的に行った(澁谷, 2022)。それぞれの成果は学術論文にまとめて発表した。第三に,これら成果に基づき,2022年度実施予定のサイバー言説受容側のソーシャルメディアユーザーに焦点を当てたより詳細な研究のために必要となるデータ収集・分析方法の設計の見直しを行い,その準備を進めた。具体的な研究については「進捗状況」に後述する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的を達成するために,2021年度は大まかに分けて3つの研究をおこなった。第一に,人々とソーシャルメディアとの相互作用であるソーシャルメディア・インターラクションに関する関連研究を対象に系統的文献レビューを行った。具体的には,ソーシャルメディア・インターラクションに関する研究論文をレビューし,関連研究分野における研究トピックや研究手法,分析対象データの特徴とその傾向を明らかにした上で,今後の研究課題や研究手法に関する考察をおこなった(Shibuya et al., 2022)。 第二に,COVID-19関連のFacebook上での偽情報・誤情報をケースとした記述的な分析では,国内の偽情報・誤情報ではどのようなアクターが偽情報・誤情報の生成流通に寄与しているのかを明らかにした(澁谷, 2022)。具体的には,2020年1月から18ヶ月分の日本語でのCOVID-19関連 Facebook投稿を分析することで,(1)少数アカウントが偽情報生成・流通で中心的な役割 を担っていて,主流メディアのアカウントと同等もしくはそれ以上の反応数を獲得するなど,COVID-19関連の投稿としては最大級の反応を得ていることや,(2)偽情報の発信の動機として,金銭的なインセンティブやイデオロギーに基づいた動機によると考えられるものがあること,(3)YouTube等の外部情報源を利用しながら偽情報を流通させていること,(4)偽情報の中心的なアカウントの周りには緩やかに繋がった大小様々なグループやアカウントが存在し協調的に偽情報の生成・流通に寄与していることが示唆された。 第三に,第一の成果を基に,2022年度実施予定の追加的なデータ収集と分析のための手法の見直しを進め,今後の研究の準備を進めた。 以上の進捗状況から,プロジェクト全体が概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的を達成するため,今後は以下の2つの観点から分析を進める。第一に,サイバー空間の言説の受容側であるソーシャルメディアユーザーに関する理解を深めるための研究を行う。ソーシャルメディアユーザーを対象に偽情報・誤情報の受容に関する大規模なサーベイ調査を行い、個々人の社会経済的背景やその他特性等と偽情報・誤情報との関連性を分析する。この分析により,サイバー言説の需要メカニズムをより精緻に捉え,偽情報・誤情報への需要と受容に関するモデル構築を目指す。 第二に,構築モデルに基づき実際の偽情報・誤情報等の事例を対象に分析を行う。ここでは偽情報・誤情報等の受容側に主な焦点を当てて構築モデルの評価を行う。なお,研究成果や進捗については,国内外の関連研究を行う研究者等と積極的に意見交換や共同研究等を行い,結果の解釈や,政策的示唆に関する幅広いフィードバックを得る。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)