Project/Area Number |
21K13492
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
保田 那々子 帝京大学, 文学部, 助教 (90880162)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 童装束 / 子ども / 従者 / 身分 / 社会構造 / 貴族社会 |
Outline of Research at the Start |
日本の公家社会では男性の装いは身分標識として機能していたことが明らかにされているが、女性や子どものような社会の周縁に位置する人々の装いは何を示していたのだろうか。 「わらは」とは従者と7歳から成人儀礼までの子どもを示す語であり、彼らには共通する装いの特徴が存在していたが、次第に乖離していく。従来「わらは」の装いは美学的観点から考察されがちであったが、本研究では「わらは」の服飾の共通性と個別性に着目しつつ、平安時代初期から中世的な「イエ」概念の完成までの彼らの服飾の変遷を辿り、「わらは」観の変容を明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
日本の公家社会では男性の装いは身分標識として機能していたことが明らかにされているが、女性や子どものような社会の周縁に位置する人々の装いは何を示していたのだろうか。彼らの装いを社会構造のうちに捉えなおすことができるのであろうか。というのが、本研究の問いである。 当初は2021年度より2023年度末までの3か年計画で研究を行う予定であったが、2022年度は研究を中断したため、2024年度末まで計画を延長している。2023年度は研究を再開し、主に①日本の古代から中世にかけての身分観の変遷と、②装いの日唐・日宋比較のための文献を収集した。現在その考察をまとめている段階であるが、それぞれ2024年度に口頭発表を行うことを予定している。 ①について。「わらは」とは、従者と7歳から成人儀礼前までの子どもを示す語とされており、彼らには共通する装いの特徴が存在していた。しかし律令官人制が崩壊し平安後期に「イエ」の概念が成立すると、特権的な「イエ」の子どもと従者の服飾との間に大きな乖離が生じることから、身分観と服飾の関連を考察していく。 ②について。奈良時代~平安時代初期の唐風服飾から、平安中期以降の和様の服飾への転換における、童装束の変容を考察していく。 上記のように、本研究では「わらは」の服飾の共通性と個別性に着目しつつ、平安時代初期から中世的な「イエ」概念の完成までの彼らの服飾の変遷から、「わらは」観の変遷を明らかにすることを目的とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は研究と教育の再開と家庭環境の変化への対応のため、期待していたほどは研究に時間を割くことができず、2023年度中に成果を公表することはできなかった。しかし2024年度前半に口頭発表の機会があり、計画より遅れ気味ではあるものの着実に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は実質的な補助事業期間3年目となる。これまでの研究では、平安前期の従者の装いについての調査が不十分であったため、この点に注力して研究を行う。また、コロナ禍での影響により、現時点で海外での調査が実行できていない点も、可能な限り2024年度に実行したいと考えている。
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