機械学習によるテキスト・地理情報を融合した廃棄物資源循環の需給ポテンシャル分析
Project/Area Number |
21K14281
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 22060:Environmental systems for civil engineering-related
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
牧 誠也 国立研究開発法人国立環境研究所, 社会システム領域, 研究員 (40785242)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 廃棄物 / 資源循環 / 機械学習 / 需給分析 / データ融合 |
Outline of Research at the Start |
効率的な廃棄物の循環利用を行うため、廃棄物の発生地と需要地となる産業等の把握をテキストデータ及び地理情報データを融合した解析により、廃棄物資源循環の需給ポテンシャルを高い解像度で推定し、地域にあった循環利用計画策定を支援するシステムを開発する。 本研究で開発する手法では、高い解像度での分析を行うとともに、統計整備が不十分な国であっても、現地語の解析により業務申請の際に提出される社名や業務など省庁が持つ登録名簿をもとに推計・資源循環計画の評価を行うことができることを目指し、行政にとって入手が容易なデータをもとに政策支援を可能にするシステムの構築を目指すものである。
|
Outline of Annual Research Achievements |
廃棄物・資源循環分野全体において、低炭素化や更なる3Rの推進、資源効率の向上が求められている。そのため、発生・収集運搬・処理・再利用までを一括した廃棄物におけるライフサイクル全体での最適化を行うが求められている。 発生量の削減や発電・熱利用・再利用による循環の効率化・最適化等が考えられ、再利用品及びエネルギー回収の需要・供給の空間的分布を考慮した複数セクター間でのマネジメントを行うセクターカップリング方式が注目されている。 そのため、テキストマイニングによる工場等の立地・種類を同定することで建物レベルでの詳細な業種分析を積み上げ、需要セクター及び供給セクター双方の需要供給可能量を空間的に把握し、熱供給のための廃棄物処理評価システムを発展させ、資源循環施策一般を評価するシステムを構築する。 今年度研究では、熱供給の供給元となる家計からの廃棄物発生量を推定するため、家計消費からの組成別廃棄物の空間推計モデルの単年モデルを開発し、家計消費当たりの原単位を推定するシステムの構築を行った。また、複数年度分析を行うためのデータ取得APIを開発した。 加えて、需要側の工場については全国工場名鑑に記載された工場の名称データに基づく業種分類モデルを構築し、電話帳データに基づく地理分布推計までを開発することができた。本件モデルの構築により、全国規模での推計モデルを構築できるようになったとともに、地図アプリ上のデータの活用による一般化及び海外展開の方法開発の基礎ができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標としては単年度における組成別の廃棄物発生量の地理的分布を推計するモデルを構築することで循環資源の供給を評価可能なシステムの構築を行うとともに、需要側の立地検討として全国製造工場名鑑の工場名称のデータを用いた全国製造工場名鑑データ内での業種分類モデルの構築及び精度確認と電話帳データに記載された全国の法人名称データをもとにした上記記載の業種分類モデルを用いた工場立地の検討までを行うことを想定していた。 供給サイドにおける研究では、一般廃棄物実態調査に記載された焼却場の組成別廃棄物処理量のデータとESRI社の1kmメッシュあたり推定家計消費のデータを廃棄物輸送モデルを用いた結合を行うことにより組成別廃棄物と家計消費のデータセットを作成し、作成されたデータセットを統計分析することによって消費額当たりの組成別廃棄物発生原単位の作成を行った。この原単位を用いて空間推計モデルの単年モデルを開発した。また、複数年度分析を自動的に行うためのデータ取得APIを開発した。現在、単年モデルでの論文投稿中であるとともに、複数年度分析による時系列分析を実行するための準備を整えられた。 需要サイドでは、当初目標であった電話帳データにおける検討を超えて、電話帳データ及び全国工場名鑑のデータから作成した業種分類モデルを用いた全国における需要先となる工場の立地を推定するモデルの構築ができた。このモデル構築ができたことにより、当初研究の全体目標として海外展開可能なモデルの構築を行うのにGoogle map等の地図アプリからの建物名称及び緯度経度データの取得を行う方法と分析プロセスの手続きモデルの構築を行うことで達成できると考える。 昨年度複数件の口頭発表を行い、今年度1件以上の国内発表、2件程度の国際発表、数件の論文作成の準備ができた状態となった。また、一昨年度から進めていた1件の英文論文が掲載された。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記で記載したように、供給サイドのモデルを時系列化した分析に対応可能なようにする。このことにより、将来的な分析やシナリオ分析、原単位の変化等を検討可能なようなモデルの構築を検討する。 また、需要サイドでは海外展開可能なモデルの構築を行うのにGoogle map等の地図アプリからの建物名称及び緯度経度データの取得を行う方法と分析プロセスの手続きモデルの構築を行うとともに、データ分析上の課題を明確し、国内外で十分な分析・政策検討への支援を行うための条件を明確化することで本研究の成果をまとめていくとともに、応用が可能な仕様を明確化していく。 上記の供給・需要の双方のモデルから得られた結果をもとにセクターカップリングによる熱を対象とした需給の可能性について分析を行い、本研究事業をまとめ上げるとともに、研究で構築したモデルの応用可能性の検討や現時点での限界の明確化、今後の研究に必要な条件の整理を実施する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)